diary日 記 2024 / 04/ 01

ブルターニュ地方のコトリアードがおすすめです

今年は桜の開花が遅れましたが、どうにか咲いてくれてほっとしている次第です。安心ついでにこれから、久しぶりに料理ネタでいきます。最近作って好評だったブルターニュ地方の漁師料理、コトリアードをご紹介しましょう。作ったきっかけは、冷蔵庫にあると思っていたサフランが見つからなかったからでした。南仏はマルセイユあたりのブイヤベースを作る予定が一転、地域的に真反対、英仏海峡に突き出たブルターニュ地方の料理になりました。最近はそば粉のガレットですとかクイニー・アマン、塩キャラメルなど、ブルターニュ地方のお菓子が目に付くようになりました。英国からのヨットで賑わうスノッブなサン・マロや、画家ゴーギャンが愛し「フランスの美しい村」にも選ばれたポン・タヴァンなど、かつて辺境の地と呼ばれていたこの地方が、観光資源として躍進。それではこれから、オリエント貿易が盛んだった名残が地名になったブルターニュ地方の漁港、ロリアンでいただいた絶品コトリアードを再現してみましょう。ルイ14世がヴェルサイユ宮殿で、日になんダースも生ガキを食べたのは有名な話です。それにしても、ムムムムム。辺境の地からヴェルサイユ宮殿に生ガキを運ばせ、辺境の地にオリエント貿易で栄えた港町があっては矛盾しているじゃないかといわれそうですが、それがフランス語でいうHistoireです。ヒストアールという言葉には、歴史と物語というふたつの意味があるのが答えだと思ってください。ついでに英語ではいかがかと辞書を引いてみましたが、不思議です。英語のHistoryには、物語という意味が含まれていませんでした。歴女で本好きな私なので、この手の話に深入りしたい気持ちを抑え、美味しいコトリアード作りに軌道修正します。

北の海で漁師たちがからだを温めるために船の中で、あるいは砂浜で作って食べた料理ですから、お材料は魚類ならなんでも使えます。殻付きの貝、エビ、イカでもタコでも鱈、鯵や鯖、平目や鰈、アンコウ、etc。他にジャガイモ、バターと生クリーム少々と、念のために塩もご用意ください。そして深めのフライパンか、もしくはお鍋、それと蓋もお願いします。魚のウロコと貝殻についているゴミ、ジャガイモの皮についている泥は洗ってくださいね。魚は内臓を取ってぶつ切り、ジャガイモも食べやすいサイズにカット。フライパンかお鍋を強火にかけて多めのバターを入れ、まずお鍋の底にジャガイモを敷き、その上にお材料を次々に放り込んで蓋をして、煮立ってきたら貝類を加えて、また蓋をします。ぐつぐつ、ぶくぶく、貝類が開いたら生クリームを加えてさらに煮てお味見。スープの量が少なかったら水を足し、お味が足りなかったら塩を足してください。イカとエビのおかげで、全体に赤みがさしているはずです。コトリアードは煮込み料理ではないので、煮すぎは禁物。ジャガイモに火が通っているのをたしかめて、人数分の深皿にお魚の種類とスープを万遍なく盛り分けて、熱々でお出しください。「あぁ、バゲットを買い忘れた!!!!」と気づいても、慌てる必要はありません。かなりの量のジャガイモが入ってますから、たぶん大丈夫。色も香りもマルセイユのブイヤベースとは真逆な逸品に、舌鼓を打っていらっしゃるみなさんのお顔が想像できます。誰が作っても絶対に失敗しない秘訣は、お材料は多目でヨロシク!!!!!