diary日 記 2024 / 01/ 01

粛々と進むオリンピックに向けた大規模改修工事

パリの中心部を早歩きしながら、重厚な石造りの建物に手を入れることの難しさを痛感。ちょうど百年ぶりのパリ・オリンピックという大義があろうと、世界遺産に名を連ねる歴史建造物の改修工事は、最小限にならざるを得ないと納得。建物の内部の事情が分からないので探した言葉が、粛々でした。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの閉会式がそのまま、4年後にパリで開催されるオリンピックの前哨戦になったとこのページで書きました。コロナ禍やウクライナに複雑すぎるイスラエルのキナ臭い紛争が勃発し、時の経過がなんと早かったことでしょう。丸4年の猶予期間の終わりが迫り、開会式の7月26日に向けてカウントダウンに突入。パリ・オリンピックで検索しますと、まずセーヌ川に架かる橋の中でもっとも美しいとされているアレクサンドル3世橋の上に設えられた、膨大な数の観覧席の上空写真が出現。そのほかにもオルセー美術館のセーヌ河岸ですとか、映り替わる会場シーンについつい引き込まれてふむふむと夢心地。なにしろパリ・オリンピックの場合はセーヌ川を中心にスポーツの祭典が繰り広げられるわけで、競技場になるセーヌ川の水質検査が大々的に報じられております。カーソルを動かしているうちに、モニターが映し出すオリンピック競技場に使われる歴史建造物の改修工事や観覧席新設工事の進捗状況が、シュミレエションにすぎないことに気づいてドキリ!!!! グラン・パレもオペラ座や、アレクサンドル3世橋の上に並ぶはずの観客席が、実際にどのくらい仕上がっているのかが、気になりました。現存する歴史建造物を最大限活用し、市街地で一般観衆に開かれた史上初のスポーツの祭典を・・・・・・。2020年、Tokyoから引き継いだマクロン大統領の言葉が蘇りました。終盤に差し掛かったノートル・ダム寺院の修復工事のことも気になりましたし、パリ・オリンピック前の町の様子を見ておきたかったので、迷わずパリ行きを決めました。世界一の観光客数を誇るパリの、今の様子を見ておく義務感に背中を押されたといってもオーバーではありません。それではこれから、先月、実際に見てきたパリをお伝えします。

CDG空港からホテルまで乗ったタクシーの運転手さんへの聞き込みたから、私のパリ・オリンピックへの関心が全開になりました。「Oh la la !!! オリンピックの開催中は仕事にならないから、ひと月繰り上げてバカンス先のテレビで観ますよ。狭いパリ市内が、交通ゼネスト状態になるでしょう」といった運転手さんに、1900年の万博開催地になったグラン・パレの近くを通ってもらいました。朝、早すぎて暗く固まった景色でした。たしかに、巨大な石のモニュメントをやたら壊すわけにはいきませんよね。昼間でもオペラ座や他の競技場予定地も同様に、外観からは内部で行われているはずの工事の喧騒はわかりません。更地から設計図が引かれた、代々木の新国立競技場とのちがいを目の当たりにしました。パリ時代から通っていた、マレ地区とサン・ジェルマン、ピラミッドの角のカフェの支配人たちにも、意見を聴いてみました。開口一番が、いずれも「Oh la la !!!・・・・・・」だったのが笑えました。「橋の上が危険だね。大型トラックが通っても崩落しないけど、見物している若者たちの中には橋から落ちるヤツがけっこういるよね」とも。運動会の騎馬戦よろしく、イベントがあると仲間たちの肩に飛び乗って大騒ぎする、肉食系若者軍団ならやりかねませんね。パリ中心部の工事現場の目玉は、私が見たかぎりでは、ノートル・ダム寺院の復旧工事でした。現場を訪れる観光客のために、ほぼ修復を終えた正面に、見学者用の階段席が用意されておりました。工事が進行中の両サイドから後陣にかけての部分を詳しく観たかったので、左岸のプチ・ポン橋に移動。無彩色な石材と空高く伸びた赤いクレーンが、絶妙なコントラストでした。フランス革命200周年記念にルーブル美術館広場にガラスのピラミッドや超近代的なデファンス、巨大な国立図書館を完成させたミッテラン大統領の手腕もさることながら、マクロン大統領もなかなかやるなと感心。ノートル・ダム寺院の完成が、パリ・オリンピックに間に合わないのが残念ですが、工事現場も絵になっていたのでひと安心。モニター上のシュミレエションに近い形で完成することを、心から祈りましょう。それでは、今年もこのページをよろしくネ!!!!!