diary日 記 2022 / 11 / 01

すべての名詞が男女別性のフランス語

以前、【ボンジュール】【メリスィー】【ウィ】【パルドン】と【ア・ボン】、五種類の言葉でパリを楽しくと書いたことがございました。フランス語が喋れない方がパリ旅行を満喫するための、これが必須語だと今でも確信してます。旅行ではなく滞在にしても同じで、はじめにこのフレーズありきです。この五つの挨拶語以外は、堂々と英語でお通しください。フランス人は英語を話さないといわれたのは昔の話で、彼らのプライドの問題ではありませんでした。彼らのほとんどが、英語を話せなかっただけです。通貨のフランがユーロになったころから事情は変わり、フランスも英語教育に力を入れはじめたらアルファベットの国は早かったですね。それに一般のフランス人と私たち日本人にとって、英語はともに外国語です。外人同士の英語がいかに気楽なものか、ぜひ、パリ旅行でお試しください。普通のフランス人が相手なら、私たちのイングリッシュで事足ります。わが国の大学から文学部がなくなり、フランス語やイタリア語学科が消滅。学生たちのほとんどが、第二外国語に中国語を選ぶのも時代です。政治的にいくら日米関係が強固でも、経済面では日中関係のウェイトが肥大してますものね。ところが、いざやってみると中国語の壁は高くて分厚いです。中国語はフランス語以上に、発音が難しいですからね。趣味の領域でトライするなら、『三国志』の国より『赤と黒』の方が楽しめますから、ぜひ、フランス語も選択肢にお入れください。フランス語は耳に優しく、すべての名詞が男か女、万物が男性名詞と女性名詞にわかれてますからややこしくて面白いですよ。男性名詞は冠詞にルがつき、女性名詞はラです。名詞に冠せられるルとラに法則がないので、悩む以前にひたすら覚えるしかないのも威圧的。当のフランス人にしても迷惑な文法にちがいありませんが、名詞は冠詞とセットだと思っているようです。冒頭にあげた詩人の三好達治さんは、海のLa merと母のLa mereを掛けておいでです。大いなる海と包容力がある母に似たニュアンスがあるのはわかりますが、言葉遊びでしょうか。以下、そのモノが男性名詞か女性名詞であるかに法則らしきものがない例を上げてみました。

テーブル: la table 、椅子 : le chaise、 ナイフ : le couteau 、フォーク : la fourchette、服 : la robe、オーバー : le manteau、靴 : la chaussure、海 :la mer 、 山: la montagne、 日本: le Japon 、フランス: la France、本: le livre 、ノート: le cahier、パン: le pain 、塩: le sel 、etc. 以上、ごく一部ではありますが、冠詞がルの男性名詞の語尾が子音(例外は椅子)で、ラがつく女性名詞の語尾がほとんどeです。数的に語尾が子音で終わる名詞の95%が男性名詞、eで終わる70%が女性名詞だそうですが、それは単語を見ないとわかりません。テーブルと椅子、ナイフとファークのようにセットになっていると男女のペアかと研究者に質しましたら、「そんなに簡単なことではない」と即答されました。考える以前に、決まりとして覚えるのがロジックかしらと首を傾げてしまいますが、ルとラをまちがえる秀才はフランスにはいません。リケジョ人気も手伝い最近は理系重視の傾向にありますが、まずは国語を大切にしたいですね。