diary日 記 2022 / 10 / 01

野菜たっぷりお米のサラダ、Salade de riz

パリ時代によく作っていたのに長いこと忘れていた、サラダを思い出して作ってみました。サラダ・ド・リという、リはrizでお米のことですから、文字通りお米のサラダです。フランス人はお米を炊くというより茹でる感じで、水の量も抵当です。もっと驚いたのは、袋から適量をお鍋に直に入れ蛇口から水道水を目分量で注ぎ、まったく研がないで火にかけるだけでした。煮上がったおこめにバターを大匙一杯ほど入れてかき混ぜ、お肉の付け合わせにします。パリ時代、ウチにランチに来た子供たちに付け合わせを何にするか聞くと、ほぼ全員がお米でした。選択肢はほかにパスタやマッシュポテトですが、あんがいフランス人はお米好き。南仏アルルのお米祭りになんども行きましたが、選ばれるお米の女王のだれもが、陽に焼けてエキゾチックな美人ばかりでした。スペインのバレンシア地方の名物料理にパエリヤがありますが、地中海沿岸の人々に濃い顔の美男美女が多いです。農産物のすべてにいえますが、お米の栽培がなんともアバウトで日本人との国民性のちがいを痛感。地中海沿岸の湿地帯にお米の種を蒔き、自然栽培で収穫。パリの日本食品店に行けばカリフォルニア米があるのは知ってましたが、近くのスーパーのパスタコーナーにある、丸いイタリア米という種類がなかなかいけました。

パリで和食を作ったときは、中華食品店で買った東芝の電気炊飯器が重宝しました。中国人の爆買い品目に炊飯器があったのを見て、私が使っていた炊くだけから最新式に買い替えたい気持ちがわかりました。自宅で主食が作れるハイテク家電がある国は、世界中にそうありませんしね。わが国のGDPとGNPの急落は国家的な危機ではありますが、私は「フン!!!!」、少子化に歯止めがかからないから当然です。世界中で日本人ほど便利な電気製品、清潔で安全で誠実な人たちに囲まれている国民は他にいません。それでは次に、肝心のフランスの家庭料理に浸透しているサラダ・ド・リを作ってみましょう。お米のサラダというよりはご飯のサラダといった方がわかりやすいです。古いレシピを思い出したのは、数年ぶりに手巻き寿司をしたときのことでした。お刺身などの具が多すぎたようで、来客が帰った後、半分以上も残ってしまった酢飯を眺めて閃いたのがサラダ・ド・リでした。「そうだわ、東京でまだ一度も作っていなかったなんて」と、なんともうれしくなった次第です。それでは、これから実践編に移りましょう。残ったすし飯がなくても、サラダがまちがいなく美味しいので、1合くらい炊いてください。私は市販のすし酢を多用しておりますが、既製品がお嫌いな方は合わせ酢でもちろんOK。ご用意いただくのは彩のいいお野菜数種類で、赤と黄色のパプリカ、ピーマンとベランダのタイム少々。それとオリーブ油と使い慣れたコンソメです。たといば1合のお米でしたら上記のお野菜の1/3を微塵切りにして、残りは冷凍しておいてください。残ったご飯を冷凍するより、冷凍してあるお野菜を刻んでフライスの家庭料理をお作りください。酸味が利いて甘みのあるヘルシーサラダに、誰もが虜になること請け合いです。日本のお米のおかげで、パリで作っていたよりなん倍も美味しいサラダ・ド・リが今の私のブチ・ブームです。ぜひ、お試しください。