diary日 記 2022 / 09 / 01

至福のラム・レーズン

久々に、私のメニューに自慢の一品が加わりました。デザートは作るばかりで、たまにお味見する程度だったんですが、今回、お話しするラム・レザン、つまりラム・レーズンのアイスクリームにかぎっては、作っている私が夢中になるという珍現象が起きました。バニラアイスとラム酒に付け込んだ干しブドウを混ぜただけのラム・レーズンの美味しさは、形容の仕様がないほどの完成度。正確な分量を記しますから、ぜひ、みなさまもお作りになってみてください。ご用意いただくのは、バニラアイスと干しブドウとラム酒だけです。そうでした、干しブドウをラム酒に漬けておくための容器がいりますね。アイスクリームなら冷凍庫でいくらでも置いておけますから、大胆に2㍑の業務用ホテルアイスをお求めになるのをおすすめします。干しブドウは焦げ茶色の平凡なやつを、これも「エエッー!!!!」と驚くほど大量に1㌔袋をぜんぶ使っちゃいましょう。まちがいなく上手に仕上がりますから、ご心配は無用です。干しブドウがラム酒になじんで柔らかくなるまで、2週間ほどは漬けこむ日にちがいります。ラム酒がまんべんなく回るように、逆さまにできるような密閉できるプラスチック容器で漬けるといいですね。私の場合はグリオットと呼ばれる、製菓用サクランボのブランデー漬けを買ったときに入っていたゴムパッキン付き空き瓶に、干しブドウ1㌔をぎっしり詰め込み、ラム酒を上まで注いで密閉。干しブドウがふっくらしたころ合いを見計らって、大きなボウルにバニラアイスを移し、そこにラム酒を絞った干しブドウをばばっとふりかけ、木ベラで力任せに満遍なく混ぜます。といっても相手はアイスクリームですから、あくまでも手早く、短期戦でお願いします。そして仕上がったらプラスチック容器に入れて、冷凍庫に戻してください。市販のアイスクリームは空気が入っているので、混ぜ混ぜしていると量が減りますから、ラム・レーズンを混ぜても容積が1.5㍑ほどになります。ハーゲンダッツのラム・レーズンがなんだったのかと思えるほど、めちゃめちゃ大人の味を翌日にはご堪能いただけることでしょう。これであなたのお宅の常備デザートに、またひとつスペシャリテがふえましたね。ディナー後や、お友達をお招きしたときのおやつになさるときは、人数分のお揃いの小鉢にラム・レーズンをまっ平らに入れ、冷凍庫にストックさせておくとお洒落かも。私が長く愛用している白いジノリの小鉢の量を今、測ってみましたら思っていたより多く、150ccもありました。直後に運転なさる方や、子供さんのおやつには不向きですから、ご用心くださいね。

せっかくなので、以前にも拙著でご紹介したサバランとプロフィット・ロールという高級ビストロの定番デザートもあなたのレパートリーに加えてください。サバランは市販のプチ・クロワッサンを砂糖水で倍量に薄めたラム酒に浸し、ラム・レーズンのアイスクリームを挟むだけです。プロフィット・ロールはもっと簡単で、買って冷凍庫に入れておいたコンビニのプチ・シュークリームを一人前3、4個の目安でお皿にのせ、板チョコを熱々に溶かしてかけるだけ。以上、Simple is bestのデザート三種で、夏バテを乗り切りましょう。