diary日 記 2022 / 08 / 01

ジョワ・ド・ヴィーヴル、生きる歓び再考!!!!

今年の夏はメチャメチャ甘いトマトやいぼいぼ胡瓜、ほっくり南瓜や煮ても焼いても美味しいお茄子など、素晴らしいお野菜をたくさんいただいて感動しております。ほんと日本は、お野菜がどんどん美味しくなりますよね。お米もコシヒカリが出たあたりからブランド米がふえ、あれよあれよという間にスーパーのお米コーナーが全国の銘柄米の陳列棚になりました。果物の品質も超音速で進化を遂げていて、サクランボも桃もメロンも西瓜も極甘。秋になってリンゴが出回るころになったら、文字通り世界一が出ますが私はフジが好きです。農業大国であることが矜持のフランスよりわが国の作り手さんたちの方が、ずっとずっと研究熱心。より美味しく安全・安心をモットーに、向上心を持っての農業に真摯に取り組んでおいでです。フランスのマルシェで「このプラム、美味しい?」と聞いたら、即座に「プラムの味だよ」と言い返されそう。だいたいフランスの新幹線、TGVに乗って車窓に過ぎ行く広大な畑や牧場を見ていて、そこで働いているお百姓さんの姿をご覧になったことありますか???? ……ないでしょうね、私もありませんもの。こんもりした木々の下で、日がな草を食む牛や羊はいても、お百姓さんを見たことがありませんでした。なぜか小麦畑にもレタス畑にも、広大な農地のどこにもお百姓さんの姿がないのが私は不思議でなりませんでした。そんなある日、親友の娘さんの結婚式で、長年の私の疑問が氷解。新郎方の列席者カップルのみなさんがフランス人にしては背が高く、男性たちは日に焼けていて精悍。女性たちもスラリとしていてチャーミングで見とれておりました。そして「みなさん、何をしていらっしゃる方たちかしら、これだけ粒ぞろいな集団はそういない……」と。すると以心伝心か、いつの間にか会場で唯一日本人の私が彼らに取り囲まれておりました。私が彼らのダンディーさをマダムに誉めましたら、彼女が照れて「あら、いやだ。私たち全員お百姓よ。今日は親戚の結婚式だから正装してますが、夫たちはいつもは首に赤や青のタオルを巻いて、トラクターを運転してるのよ、アッハッハ!!!!」でした。彼ら全員がルーアンという、パリからノルマンディーの海岸に行く途中の、フランスの中都市郊外の小麦の作り手さんたちだったのです。

ボー・ギャルソンとベル・ファムたちが私に寄っていらして、「ここの仲間たちと、10年前にみんなでKyotoとTokyoに行ったのよ。10年たったら、また行くつもり。ジャポンに行ったけどジャポネやジャポネーズの知り合いがいなかったから、あなたに会えてうれしいの」とおっしゃってくださいました。おかげで彼らとはそのときの新郎新婦のご両親を通じて連絡を取り合っておりますので、次回、彼らが日本でお会いできるのを楽しみにしてます。その披露宴会場で私は、TGVの車窓から働いているお百姓さんたちの姿を目にしたことがないと申しましたらズバリ、「あなたは朝寝坊でしょう。朝、8時までのTGVで通れば、僕たちのトラクターが見えはずだけど」と。屈託なく笑う彼ら、彼女たちとお喋りしていて、いつの間にか忘れてしまっていた「よく学び、よく遊び」という昔の金言を思い出しました。人生もメリハリが大切、食べて愛して学んで働く。生きる歓びの神髄はこれですね!!!!