diary日 記 2022 / 05 / 01

マクロン大統領、再選おめでとうございます!!!!!

極右のマリーヌ・ルペン女史が、決選投票に持ち込んだとは驚きでした。マクロン大統領の再選を喜んでおりますが、フランス国内の世論はそうでもないようです。マクロンのことを“在任中にここまで国民の反感を買った大統領は、シャルル・ド・ゴール大統領以来だ”ですって。それにしても、第二次大戦のヒーロー、シャルル・ド・ゴール大統領と並べられて、マクロン氏はご満悦のことでしょう。略してC.D.G将軍は、戦勝国とはいえ貧しかった上にアルジェリアなど北アフリカの旧植民地独立が重なり、どん底にあったフランスの救世主でした。今でも多くの国民に慕われ、ゴーリストという言葉も不滅です。私たちがパリで降り立つ飛行場名も、C.D.G空港ですしね。戦後の荒廃から経済を立ち直らせ、「栄光のフランス」を掲げて長期政権を樹立。在任末期の68年、学生運動から全国規模のゼネストになった五月革命が致命傷になり翌年退陣に追い込まれましたが、カリスマ大統領です。人気でいえば、C.D.G.の次は81年、社会党政権を樹立したミテランだと思います。キャリアの点でも若いマクロンは先の二大統領にかないませんが、サルコジやオランドよりだいぶマシ。蛇足ですがマリーヌの父親のジャン・マリ・ルペン氏は努力して極右でのし上がり、シラク大統領と決選投票でしたが、今回のマリーヌは苦労知らずのお嬢さまです。

フランスは共和制ですから、第一党の自民党員の中からしか首相が誕生しないわが国とは政治体制がちがいます。講談社さんの【現代ビジネス】をクリックしていただくと、私が書いた“東京オリンピックの閉会式がパリのオリンピックの開会式になった”に飛ぶはずです。あれだけのパフォーマンスで世界中の人々にアピールしたマクロンが大統領選でここまで苦戦したのは、彼がエリート過ぎるゆえに妬まれてますよね。植民地からの移民三世たちにしてみたら、若いくせに官僚エリート然としたマクロンの存在自体が気に入らないことでしょう。「黄色いベスト」のリーダーと8時間におよぶ話し合いをしていた最中のノートルダム炎上だったんですよ。燃えさかるノートルダムの再建に、財界一の実力者でマクロン大統領を応援しているベルナール・アルノー氏がポンと30億円を寄付ですもんね。パリのオリンピック準備についてマクロン大統領は、既存の歴史建造物をフル活用して新設は最小限にすると説明。有力な政財界人の出身校として知られるグラン・ゼコールの同窓生が、マクロン大統領を支持している点も、一般庶民の反感を買ってますが、不人気要因の決定打はやはり24才年上女房のブリジット。15才の息子を篭絡した女教師のブリジットから離すために、両親が取った手段は転校でした。後になって彼女は、出会ってすぐ娘と同学年のマクロン少年の知性に魅了されたといってます。生家のアミアンからひとりパリのリセに転校させられた彼は、「絶対にブリジットと結婚する!!!」の一念で、がむしゃらに勉強。第一希望に落ち、シアンスポというパリ政治学院に進んだのが幸いして、超難関の国立行政院(ENA)に進学。ブリジットを幸せにするために、奨学金の650万円を返済してロスチャイルド銀行のM&A系で稼ぎまくり初心貫徹。すでに離婚が成立しているブリジットと晴れて結婚。「もうお金もたまったし、これからのあなたはフランスをよくするために政治家になったら」が「こんどは大統領に立候補したら」の、ふたりの夢物語が聞こえるようです。