diary日 記 2022 / 02 / 15

京都がマンションラッシュです

「勘弁してくださいよ、京都だけは!!!!」と、大声で叫んでも万事休す。京都の友人からかかってきた電話に、彼の地での工事音が紛れてました。東京のマンションラッシュなら、まだ諦めがつきます。終戦寸前の東京大空襲で、一度は丸焼けになった町ですから。都心の高層マンション乱立にも、慣れっこになりました。「皇居の方向に窓を作ってはいけなかったんじゃないの?」と警視庁の友人に聞きましたら、即座にこう返ってきました。「大丈夫、まったく問題ないから。高層マンションは窓が開かない構造になってるし、屋上に昇れる人員の素性も厳正に登録されているから」と、あっけらかんなものでした。湾岸エリアの超高層マンションなど、想定外の地震が起きたら都民の防波堤になってくれる以前に将棋倒しになりそうなほど蜜ですもんね。繰り返しますが、東京はどうでもいいの、皇居といってもたかだか江戸遷都からですから。若い大江戸と京都では、格式がちがうじゃないですか。苔寺の西芳寺は入場料3千円だけあって、ユネスコの世界遺産に登録されてます。聖徳太子がおられたこともあるという、正真正銘な日本の宝物。京都御所にしても、奈良が泣くよの794年からですよ。日比谷ならともかく、京都御所の南側に三井レジデンシャルとはなにごとですか。グレードの高い外資ホテルが゛次々オープンしたのは知ってますが、伏見稲荷の辺りもマンションラッシュとは驚きです。間口が狭くて奥が長い町屋造りが、京都の売りだったではありませんか。それにしてもあの頑固者ぞろいの京都っ子が、よく許したものですね。京都の中心部で生れ育った生粋の京都っ子たちに、京都マンションラッシュについて聞いてみました。京都弁は太刀打ちできませんので、東京弁で書かせてもらいます。

異口同音に、「時代に抗えない」と「オカネ」の説得力ある答えが返ってきました。いくら守ろうとしても、お金がかかって自力では無理だとも。たしかに、傍から見ている人間がとやかくいえる筋合いはありません。国宝や有形文化財に指定されているわけでなければ、改修工事は自前です。憲法にも私有財産の保護がありますから、売買は個人の自由。不動産業者が提示する法外な好条件に、なびくなというほうが無理ですね。伏見区の分譲マンションもそうですが、京都御所に隣接するマンションも建築中に完売だったことでしょう。施工が三菱地所や三井建設ですもの、仕上がりが文句なしのノーブルに決まってます。京の街並みにふさわしいく、古都にしっくり馴染む佇まいetc. お役所にしても人口がふえて、住民税と固定資産税がっぽりでイイことづくめ。私の友人にもなん人かいます、定年退職後に京都の大学に入った趣味人が。京都も新築マンションは、都心並に家賃が高くなっているそうです。もっとも購買層の大半が東京にもマンションを所有する裕層だそうで、勝手にせいといった感じ。辞めてよして触らないで京都にという方が、身勝手な注文ですね。京都に連鎖して、金沢にも長崎にもいい場所にマンション建設が進行中。よくよく考えれば、東京に一極集中よりベターかもしれません。そういえば横浜は、とうの昔に<みなとみらい>と命名し、大桟橋や山下公園を中心にむくむくと新都市が増殖を続けてます。田舎暮らしとマンハッタン、ニューヨーカーたちのライフスタイルに似てきたとはいいませんが、世の中が変わってきているのはたしかです。こういうときにも、「セ・ラ・ヴィ!!!」を使うんですよ。