diary日 記 2021 / 12 / 01

オランジェットが一番かんたん

プロのお菓子屋さんに叱られちゃいますが、ジョルジュ・サンド(略してGS)を閉めて、しばらくして差し上げるためのガトー・ショコラを作っていて、つくづく思いました。私の場合お菓子は、売るためではなく友人知人にプレゼントして、よろこんでいただくために作るのが好きなんだと。商売がしたかったわけじゃなかったんだと、甘っちょろいことをしんみり実感いたしました。お菓子を作って売るより、謙遜していえば売文、著述業が生業なんだとも。本を出してナンボ、売れてナンボの世界でしかやっていけないということが、GSを8年やってわかりました。ガトー・ショコラやフルーツ・ケーキやキッシュなどは今でも作って、お招きした方々に召し上がっていただいてます。マンションですから深夜にミキサーは回せませんか、作りたいときにお菓子やお惣菜系のパイを作ったり、年から年中やってます。お材料はGSで取引きしていた池伝さんという製菓材料の老舗の営業さんが、今でも自宅まで届けてくださいます。配達ではなく、スーツを着た営業さんが自宅まで持って来てくださるので、それなりの金額にならないと申し訳ありません。ですから判で押したように、ヴァローナのチョコレートを10㌔ずつお願いしてます。そうそう、それと冬場に欠かせない、モンブランのときにお話したサバトン社のオレンジ・ピール。外気が冷たい12月になるのを待って2月末まで、ヴァローナのチョコレートを纏ったオランジェットが私の手土産の定番になります。身も蓋もないことを申しますが、オランジェットは作るのがもっとも簡単。それでは下段で、抜群に美味しいオランジェットの作り方をご披露しましょう。オレンジ・ピールを手作りなさりたいお気持ちもわかりますが、水分が残っているとチョコレートでコーティングした後に汁が滴り、べたついてしまいますので手間のわりに報われません。

さてさて人気のオランジェット作りに秘訣はありませんが、気温が大事。寒い冬の夜に作って屋外に放置。翌日、透明なプラスチック容器や小箱に並べてギフトにするのがベストです。外が凍る寒冷地にお住いの場合は、暖房のないお部屋に置いてください。バン・マリーと呼ばれる湯せん用の調理器具がございますが、お湯を張ったお鍋にチョコレートを溶かす小鍋を重ねて細火にかけておけば大丈夫です。手で持つ部分にチョコレートをかけない方が、作るのも召し上がっていただくときも楽ちん。私はオーブンの天板にクッキングペーパーを敷いて、親指と人差し指でオレンジ・ピールを溶かしたチョコレートにくゆらせて並べます。チョコレートを溶かす作業に、温度調整を意味するテンパリングという言葉があります。失敗するとチョコレートの表面に粉が吹いたりざらついてしまいますが、一度に大量に作らなければ神経を尖らせるほどのことはありません。ただし素人は安定剤を使わないので、オランジェットは長期保存がききません。もちろん冷蔵庫に入れるのも厳禁、直射日光も避けてください。こう書くと制約がたくさんありそうですが、注意事項はささやかなものです。差し上げるとき、早めに召し上がってくださいとおっしゃることですね。透明なプラスチック容器は、私はシモジマという浅草橋の包材屋さんでまとめ買いしますが、ネット注文もできます。オランジェット作りは冬の夜に打ってつけ。読書並みの気分転換になりますから、ぜひトライしてみてください。ボン・コラージュ!!!!!!