diary日 記 2021 / 10 / 15

角煮とパテが同時にできる

先回のモンブランが好評でしたので、今日も美味求道といきましょう。拙著でも書いたことがございますので、重複していたらすいません。以前は圧力鍋を使っていなかったのでイージー度がまし、放っておけばできあがる。それもですよ、れっきとした肉料理が二品同時に仕上がりますから、ぜひぜひお試しください。先回のマロンペーストはフランス製サバトン社の製品に特化いたしましたが、今回は豚のバラ肉の塊ですから、どこでも手に入ります。豚の角煮は、最低でも10㌢角は欲しいです。二日ほど前に、行きつけのスーパーの精肉部にカットしないまま豚の三枚肉を1㌔ 注文しておきましょう。バラ肉自体、もともと幅25㌢くらいある場合がほとんどなんです。となると、10㌢角の角煮がふたつ取れます。残った裁ち屑が正確にはリエット rillettesと呼ばれる豚肉のパテになります。ペースト状のものは甘辛や果物、野菜の場合もパテといわれることが多いので紛らわしいですが、これからお作りいただく豚肉のパテのリエットはシャルキュトリーと呼ばれる豚肉加工品店の人気商品です。それでは角煮を作ったついでにパテができてしまうミラクル調理法で二品同時進行でいきましょう。圧力鍋をお持ちでなかったら、蓋つきのお鍋でOKです。ご用意いただくのは、あくまでも正方形の角煮が取れるサイズの豚の三枚肉の塊。角煮用の調味料として、お砂糖とお醤油、あったら生姜の薄切り。それとパテ用にお塩と黒胡椒をたくさん。なにごともこだわらない主義でありながら、黒胡椒については一家言ございます。市販の小瓶に入った卓上用の胡椒はラーメン屋さんのカウンター止まりにして、ご自宅でお使いになる胡椒はそのつど挽きましょうよ。最大限に妥協したとして、粗挽き胡椒を買ってください。ご用意いただくものは、プラスお水くらいです。そうですね、なくてもフォークで代用できますが、バーミックスのようなハンドミキサーがあれば最高です。さて、それでは簡単すぎる作業に移りましょう。

圧力鍋でも普通のお鍋でも、大目のお水で正方形にカットした三枚肉と裁ち屑の豚肉を時間をかけて柔らかくなるまで煮てください。三枚肉は脂肪の側を鍋底に置いた方がいいかもしれません。豚の角煮をお作りになったことがないとおっしゃるのでしたら、菜箸がゆるゆると通るくらいとでも申しましょうか。煮すぎるとへらで持ち上げただけで崩れてしまいますからご用心。熱々の角煮を取り出し、崩さないようにまな板の上に置きます。正方形にカットしたはずでも微妙にゆがんだり脂肪と肉の部位でデコボコになったりしてますから、よく切れる包丁で再整形してください。裁ち屑がパテになるわけですから、大胆にカットしてもいいかもしれませんね。そして角煮サイズにふさわしいお鍋に角煮を煮汁と一緒に戻して調味。お好みですが、大目のお砂糖とお醤油にスライスした生姜を加えて数分煮て、お味をしみこませて角煮が完成。お鍋に残った三枚肉の裁ち屑をボールに移し、バーミックスで潰してしょっぱさを感じるくらいお塩を加えて小鍋に戻して再加熱。裁ち屑の量にもよりますが、お手持ちのプラスチック容器の底に香り立つ粗挽き黒胡椒をたっぷり敷いた上に、潰した三枚肉をびっしり詰めてください。表面を平らにし、あらためて粗挽き黒胡椒をお肉が見えなくなるまで敷き詰めてパテが完成。こちらは粗熱が取れてからプラスチック容器に蓋をして、冷蔵庫にポン。翌日、プラスチック容器を裏返してパテを小分けし、ラップに包んで冷凍も可。角煮とパテの仕上がりに、大満足なあなたのお顔が想像できます。Bon appetit!!!!