diary日 記 2021 / 08 / 15

お金をかけずに盛り上がりそうなパリ・オリンピック

オリンピック閉会式の最後に、次期開催国のビデオが映し出されましたよね。エッフェル塔の前にトリコロールのフランス国旗がはためき、マンクロン大統領が中心になってコロナ下とは思えないほど大勢の狂喜する観衆が集まり、上空をミサイルが旋回。航空ショーさながら、赤、白、青に染まる空を見上げて歓喜するパリっ子たちの姿は見ものでした。それ以上に好評だったのが、同時に映し出された2024 Parisの概要ではなかったでしょうか。コロナ禍でパリやフランス行きを断念しているだけに、見事にプログラミングされた内容に感心したのが、フランス贔屓だけではなかったのがうれしいですね。時差のおかげで、夜に開催された閉会式がフランスの真昼間の同時中継だったのが効果的でしたね。マクロン大統領の引継ぎの挨拶もよかったですし、Tokyoの閉会式のはずが、最後はParisの開会式のようでした。私のパソコンに「フランス観光開発機構」から2024Parisのプレスリリースが届いていたので、映像にあったグラン・パレの天井を走る自転車もスケートボードもブレイクダンスも、「ああ、コレか」と観ました。以下、いただいたプレスリリースを抜粋してお知らせしますね。フランス史上最大のイベントであることを明記している点も驚きでした。1900年のパリ万博や過去に二度あったオリンピック以上に盛り上げてみせるぞという、フランス共和国と国民一丸になる高揚感が伝わりました。コロナが収まらなくても、この心意気なら敢行するでしょうね。

冒頭にあった、「若い世代の熱意にふさわしい、新たなオリンピック・モデルで世界を驚かせる」の一文がフランス人らしいと思いました。開催期間は7月24日から8月11日までなので、今回の東京大会とほぼ同じ。最近は地球温暖化で高緯度のパリの夏も以前よりずっと暑くなってますが、湿度が低いので朝晩や室内はずっと楽なはず。新たにスポーツクライミングとブレイクダンスが加わるとあります。「祭典を一つのスタジアムに閉じ込めるのではなく、公共の場で人々に伝えることを目指す」とあるのも、なるほどとまた感心。閉会式でご覧になった映像と重複しますが、「スポーツと文化遺産が融合」のうたい文句がございましたので、会場になる文化施設と種目を記しましょう。
エッフェル塔の下:ビーチバレー
アンヴァリッド(ナポレオンの棺が眠る廃兵院):アーチェリー
コンコルド広場:BMXフリースタイル
グラン・パレ(1900年万博を記念して建造):フェンシング・テコンドー
ヴェルサイユ宮殿:馬術
地方都市 ナント・ボルドー・リヨン・ニース・マルセイユ:サッカー
32種目ですから、このほかにも全国に会場は散らばることでしょう。なにしろ「既存のインフラを最大限に活用し、地元住民が必要とする施設のみを建設する」とありますから、素晴らしいですよね。サッカーの会場は、1998年と2018年の優勝でお馴染みのスタジアム。パリ南郊、サンドニ・スタジアムでのファイナルの歓声が蘇ります。いずれにしても、お金を使わずイベントも日常も盛り上げるフランス人の、お手並み拝見といったところが楽しみですね。