diary日 記 2021 / 06 / 15

カフェ解禁、国内移動制限の撤廃

マクロン大統領は早い段階で、「コロナは戦争だ」といってパリと周辺の町になんども外出禁止令を出しました。スーパーに食料品を買いに行く途中でポリスに呼び止められ、職務質問された友達がなん人もいます。スーパーに行くといったのに、見当ちがいの方向を歩いていて罰金を課せられた人の話しも聞きました。徹底ぶりがともすれば自由の剥奪であると抗議行動に出て、戒厳令下で違法の大規模コンサートが開催されたりもしましたよね。コンサートの主催者や参加者が取材に応じ、口々に「自由が欲しい、人と接したい!!!!」を連発。女性同士のショッピングや町歩きなどは単独行動で群れないフランセーズたちですが、素顔の彼女たちは人恋し屋さん。女性がそうなら男性もそうで、サッカー試合のある晩がいい例です。自分たちが応援しているチームの試合がある日は、仲間たちを家に招いて観戦。勝とうものなら部屋の窓を開け放し、雄叫びを上げて大騒ぎ。衛星放送ですから、日本にいても中継は観えます。時差の関係で現地より8時間繰り上がるので、大概の放送は深夜です。カップルでおとなしく観戦していればいいものを、フランスの習慣を東京に持ち込み、大勢でテレビの前で深夜のサッカー観戦。興奮してわざわざ窓を開け放し、ビールのコマーシャルみたいに「ワオーッ!!!!」。外国にいる日本人駐在員だけでなく、わが国にいる外国駐在員家庭も同国人同士が同じマンションに集まる傾向があります。その主な理由は子供さんの学校事情で、フランス人ならフランス人学校、アメリカ人ならアメリカンスクールへの通学バスが出ている近所のマンションを選んで入居。フランスの駐在員家庭が集まっているマンションのご近所さんからフランス人はバカ騒ぎをすると聞いて、サッカーの試合の後にちがいないと。サッカーだけでなく、バカンスに立つ前の週末にも、仲間が集まって騒ぎます。騒ぐと新鮮な外気を吸いたくなるものなのか、こんどはベランダに出て大きな声でおしゃべり。お客さまをしたら、私たちが窓を閉めて外に話し声が漏れないようにするのと反対です。フランス人が好きなジョワ・ド・ヴィーブル、生きる歓びは人と人の交流から生まれると納得。人といて、楽しいことが究極の善なんですよね。

そうしたフランス人的発想で、パリのカフェ文化が育ったような気がします。カフェのテラス席に座っている女性が美しかったりチャーミングだったら、道行く人々は素直に彼女を眺めることで称賛。見られたくなかったら、カフェのテラス席に座らなければいいわけで、見る歓びと、見られる快感のせめぎ合いもコミュニケーション。先月、フランス全土のロックダウンが解除され、6月の2日にテラス席にかぎって営業が再開されたカフェは、どこも満席。すでに屋内も解禁になり、「戦争」の勝利宣言のようにピンクと白のマロニエの花が咲いてます。国内の移動制限も撤廃され、今年のバカンスは今世紀最大の盛り上がりを見せることでしょう。それにしても、アメリカもフランスも大統領権限って絶対ですよね。わが国の場合、与党の総裁が首相になるわけですから、自民党員にならないかぎり首相を選ぶ権利がありません。またまた愚痴めいてしまいましたが、フランスに行ける日を楽しみにしてましょうね。