diary日 記 2021 / 01 / 15

まわりに迷惑をかけたくない日本人

一年間のコロナ禍で、日本人ならではの特性を痛感。なにはさておき、他人さまに迷惑をかけてはいけないと幼少期から叩き込まれている私たちの自制心、スゴイですよね。これは共同体とか村社会などという言葉では表せない、私たちのDNAに刷り込まれている発想にほかなりません。たとえば私がコロナに罹ったとしたら、PCR検査で陽性が出たとしたら、バレないように秘密にして自室に籠り、2週間後に再検査に行くだけでは心情的に無理かも。といっても、だれかに慰められたい、助けてもらいたいわけではなく、同じマンションの方々に移さないようにしなければと、第一に考えることでしょう。そこでまず、住んでいるマンションの管理人さんに報告。お年寄りも多くお住まいなので、消毒を徹底していただき、周りの方におかけるご心配を、最小限にする手はずを整えることでしょう。なになに、隠し通せれば、それに越したことはないとお考えですか?でも万が一、住んでいるマンションでクラスターが発生したら、……。厭われ、嫌われても、被害が広がらないようにします。なにしろ、他人さまに迷惑をかけることは、私たちにとって罪悪です。そんなことを考えていた年末に、英仏海峡に突き出たブルターニュ地方のリューロンという小さな村の倉庫で、2500人規模のダンスパーティが決行されて話題に。集まった数百台の車は、隣国のベルギー、イタリア、スペインのナンバーが多かったそうですから、だいぶ前から計画的に企画されていたわけですね。いつもの年なら白色に輝くシャン・リゼ通りのイルミネーションが、昨年は真っ赤に灯ったというのに。

フランス人の価値観やメンタリティを熟知しているつもりの私は、件のニュースを観て「人に会いたい」、「人と群れたい」系を連呼する彼ら、彼女たちに同情しました。今の時期に法を犯したのですから愚挙ではありますが、自らの心の叫びを実行に移した点で彼ららしいと納得。新宿の歌舞伎町や大阪は南の居酒屋に屯して、時短制限を無視して飲んでしゃべって盛り上がるグループとは規模がちがう。N.Y.市の暴動が全国に飛び火したアメリカの人種差別と横並びの人権問題とばかりに大声で歌い踊り、警察車を燃やすまでにいたったパワーに本能の雄叫びを聞いた気がしました。あまり派手にニュースが流れていたものですから、新年のご挨拶をかねてパリ時代の仲間たちに感想を聞いてみました。まずは同じアパルトマンの住人仲間だった、マダム・シャルダンです。安い既製品のスーツをオート・クチュールに仕上げてしまうマダム・シャルダン曰く、「オ・ラ・ラ!!! 私も呆れたけど、japonのニュースになるなんて。気持ちはわかるけど、大晦日に出動させられたジャンダルムリー(憲兵)も災難よね」と。次の電話の相手は、セクシー論議が得意なレイラで、早とちりな彼女は「今、どこにいるの」からはじまり、「今回のバカげたパーティーのことなんて取材しないで」といってから、しばらく日本に来られないことを嘆くことしきり。この調子ですと、第二、第三の脱法パーティーが開かれそうな予感がします。他国のことですし、他人さまに迷惑をかけてはいけないという発想が彼らにないのが、小気味よくさえ感じられたひと幕でした。さて、コロナが明けたら、まず、どこに行きたいですか? 今年も、このページをヨロシクネ!!!!!