diary日 記 2020 / 11 / 01

オニオン・コンフィは万能選手

最近、ジャムのことをコンフィとかコンフィチュールと呼ぶようになりましたが、甘い砂糖漬けだけでなく塩漬けも油煮もコンフィです。そこで今日はカレーやシチュー、グラタンや炒め物を作るときに重宝する、玉葱のコンフィについてお話しします。玉葱のコンフィを水で薄めて温めて、食パンでもバゲットでも、お手元にあるパンを浮かせてミックスチーズをのせて焼けば、絶品オニオン・グラタン、略してオニグラのできあがり。お酢で割れば、オニオン・ドレッシングになります。なにしろ玉葱は免疫力UPの代表選手ですから、冷凍庫にストックしておくだけでお料理の幅は無限大。そこでこれから、玉葱のコンフィの作り方をご披露しましょう。「オニオン・コンフィ」という銘柄で、業務用の会員制大型スーパーのコストコで売られてますし通販でも買えますが、自家製の方がより美味しくだんぜんお得。以前、このページでオニオン・グラタンの簡単な作り方をご紹介しているのでダブりますが、グラタンにする前のコンフィの段階で空きビンに詰めてお友達に差し上げれば、来月に迫るX’mas用の手作りプレゼントになりますよ。ショコラやお菓子など甘いものが氾濫するなかで、しょっぱいものは貴重かも。それでは具体的に、玉葱のコンフィのお材料と作り方をお教えしましょう。ご用意いただくのは、大量の玉葱といつも使っていらっしゃるオイルとお塩やコンソメはお好みで。玉葱の数は、ご自宅の冷凍庫の空き具合とご相談ください。

まず、お鍋はお持ちの中の一番大きなサイズをお使いください。大は小を兼ねるどころか、玉葱のコンフィを作る秘訣は鍋底の面積にあります。ひと冬分のオニオン・グラタンの素ができるのですから、玉葱の皮を剥いて繊維に垂直にカットするときの涙はガマン。苦あれば楽ありで、美味の求道もストイックな気持ちからとご理解ください。フードプロフェッサーも強い見方ですが、私は手切り派。オイルが熱した大鍋に、カットした順に玉葱をどんどん投入。玉葱を最短で飴色に仕上げるコツは、やたらとかき回さないことです。そのためには玉葱の皮を剥いてカットする作業を、まな板の上の反復運動とお考えください。料理は巧遅より遅速が信条の私のすることは、往々にして野蛮。最後の玉葱をお鍋に放り込み、晴れてお鍋の底をかき回すと、先陣の玉葱が飴色を通り越してちゃっかりキツネ色になってくれてます。冷凍のカット玉葱も捨てたものではありませんが、水分が多すぎて手抜き分だけ仕上がりは今イチ。そうそう、ご準備いただくものが他にありました軍手です。火傷をしないように、熱々のお鍋をかき回す木ベラを持つ手に軍手をはめましょう。かき回すこと十数分で、艶やかに仕上がった保存用オニオン・コンフィのできあがり。用途に応じて水で薄めるのを前提に、お味は濃い目。果物のコンフィチュールの出番が朝食用なら、玉葱のそれはワインのお供。瓶に入ったオニオン・コンフィをスプーンでバゲットに乗せたカナッペが、夜モード全開のおつまみになります。ものは試しで、まずは玉葱3個ぐらいからスタートすれば軍手は不要。瓶に貼る白無地のシールにオニオン・コンフィと日付を書いて、にっこり笑っていらっしゃるあなたのお姿が目に浮かびます。