diary日 記 2020 / 08 / 01

プロヴァンス風焼き鯖のマリネ

スーパーの缶詰コーナーでサ・ヴァ缶をみつけたときは、ほんとビックリしました。もう、だいぶ前になりますが、フランス語で「お元気?」とか「大丈夫?」を意味するサ・ヴァの文字がラベルになった黄色い、まさしく鯖缶がありました。フランス語で相手のご機嫌伺に使う「サ・ヴァ?」と鯖の発音が同じなんです。人気高騰の魚の缶詰に関係したデザイナーさんの案なのか、いずれにしても「サ・ヴァ?」と鯖をかけているのはたしかです。今日はここで鯖料理をご紹介いたしますが、使うのは缶詰ではなく鮮魚で、夏らしいプロヴァンス料理に仕上げます。しめ鯖作りに慣れていらっしゃる方には、なおさら簡単。鯖といえば秋が旬の魚ですが、通年で新鮮なものがスーパーにありますので、真夏のおうちディナーの前菜にふさわしい一品です。鯖だけでなく、鯵や鰯など手近なお材料でも応用できます。三枚に下ろした鯖一枚が一人分なので、四人分なら二尾ご用意ください。切り身が浸るていどの白ワインと、玉ねぎのスライス。それと肝心なのが香草。生でも乾燥でもOKですし、ベランダで育てているローズマリやタイムなどがあれば理想的。私はフランスでまとめ買いした乾燥ハーブ・ド・プロヴァンスを下味に使い、仕上げにベランダのタイムの小枝をあしらいます。そのほかにいるのはお塩と、使い慣れたオリーヴ油で完璧です。鯖を三枚に下ろすのが苦手なら、鮮魚コーナーのガラスの向こうにいらっしゃる魚屋さんにお願いしましょう。二尾か三尾なら、嫌な顔はされません。鯛や金目なら、ウロコも取ってもらえます。それでは、レッツ・ゴー・クッキング!!!

三枚に下ろした鯖に塩をして香草をまぶしてバットに休ませ、そのときひたひたになるくらい白ワインを振りかけて両面になじませます。お酢でしめるしめ鯖を思えば、そのまま冷蔵庫で数時間マリネして生食も可。フランス人は魚の生食はしないと思われがちですが、地中海沿岸部の人たちは昔からワイン・ヴィネガーでマリネした生魚を前菜に食べてます。今日のレシピはひと手間かけて、ワインでマリネした鯖をオリーヴ油でこんがり焼きます。白ワインと香草でしめた鯖をバットから取り出し、オーブンでもフライパンでもいいですから、両面を焼いてください。その間にバットに残った香草入り白ワインを片手鍋に移して、ソース用に煮詰めます。ワインと香草から醸し出されるそこはかとない甘味が、私たちをプロヴァンスの町や村に誘ってくれます。待ち切れなくて、焼き上がりの鯖をお皿に移して、よく冷えた白ワインと召し上がってしまわれる方もいらっしゃることでしょう。そうなれば前菜なしで、そのままメインデッシュに昇格。「あら、前菜だったはずよ」とお思いでしょうから、焼き上がった鯖をプラスチック容器に並べて濃縮ワインをかけて冷蔵庫で休めましょう。冷やすと前菜、熱々ならメインというのがプロヴァンス料理によくあるケースでラタトゥイユなんかもそうですね。夏本番のこれから、ぜひ、鯖のプロヴァンス風冷菜をお楽しみください。しっかり焦げ目がついた皮の上にベランダの香草の小枝をのせて、「行かずに楽しむプロヴァンス」をお楽しみくださいな、ボナ・ペチ!!!!!