diary日 記 2020 / 07 / 15

ちょっと変わった美味しいものが食べたい!!!!

先回に続き、食べ物の話をしましょう。最近はかなりポピュラーになりましたが、クスクスをご存じですか? couscousと書きますが、クスクス笑っている声が聞こえそう。これだけかわいい名称のお料理、他にあるかしら? といっても、そう思うのは日本人の私たちだけですが好感が持てます。クスクスはマグレブと呼ばれる北アフリカのチュニジアやアルジェリアで、もっとも有名なお料理でアラブ料理の代表格。お野菜たっぷりのスープをかけていただく料理名がクスクスなら、スープをかけていないパスタもまたクスクスなので、ちょっと紛らわしいかも。わが国に輸入されているのは、主にフランス製。粟のように細かいパスタを同量の熱湯に入れ、沸騰したら火を止めて少し蒸らします。最近のパッケージには、作り方が日本語で書いてありますからご心配なく。私世代のアルジェリア系の友人から、「僕が子供のころは、マミーやママンは親戚の女性たちとお喋りしながら水を少しだけ加えた小麦粉が細かい粒子になるまで、手の平でクスクスを撚っていた」と聞いたことがあります。マグレブ諸国はかつてフランスの植民地でしたから、クスクスを撚っていた女性たちの光景が自分の原風景というフランス人はアルジェリア移民二世。コロナの前にマスコミを賑わせていた、合法的なデモをしていたイエローベストたちのほとんどが移民三世です。旧植民地時代に入植していたフランス人で、独立戦争のときに祖国アルジェリアを捨てフランスに帰化した人々の胸にも、同じ記憶が焼きついているようです。政治色が濃くなりそうなので、食べ物の話に戻しますね。

これからご紹介するのはタブレといって、フランス人に愛されているクスクスのサラダ版です。以前はアジアン料理を指していたエスニックの領域が最近は地中海まで広がり、とりわけレバノン料理の人気が急上昇。パリジェンヌの週末の定番が、ワールド・クッキングに昇格。ものすごく簡単で、病みつきになるほど美味しく、なんといってもヘルシーなのでぜひトライしてください。お材料は硬目にふっくら戻したクスクスと、本来はイタリアンパセリ、トマトとレモンとお塩か、使い慣れた顆粒状のコンソメ。略してはお値段の割に量が少ないので、普通のパセリがお安いときの極めつき夏メニューです。レモンはジュースを絞り、皮の部分を薄く剥いてみじん切り。トマトは種を外してコンカッセと呼ばれる、細かめのザク切りでお願いします。イタパセでも普通のパセリでも、これもみじん切り。大きめのボウルにトマト、パセリ、レモンのみじん切りを入れ、細かくほぐしたクスクスがむらにならないようによく混ぜてください。そこに絞ったレモンジュースを加えて混ぜ混ぜしてスプーンでお味見、調味料を足します。生のペパーミントのみじん切りを加える方もいらっしゃいますが、私はシンプになしが好き。クスクスの分量が多ければ白っぽくなり、主食がわりにもなります。お読みいただいただけで、あたりにさわやかな空気が漂ってきそうではありませか? あんがい日保ちがするので、タブレは作り置きサラダの優等生。免疫力アップ、じゃない女子力アップでサラダのレパートリーをふやしましょう。