diary日 記 2020 / 02 / 15

日本製のナイフで牡蠣むきに再挑戦

生牡蠣は美味しいし食べたいけど、むくのが大変。牡蠣の殻はとても鋭利で、2ダースむくとたいがい手に数か所、切り傷が残ります。牡蠣の殻をむくときは軍手をはめて、焦らず時間に余裕を持ってことに臨みましょう。来週届く牡蠣のために、牡蠣むき用のナイフを日本製に買い替えました。パリ時代に使っていた専用ナイフが使いずらいと、わが家に来ていたフランス人にいわれたからです。私がいくつも持っていたフランス製のは、牡蠣の蝶番に差し込むタイプで素人用とのこと。牡蠣のむき方が日仏でちがうと、私は誤解してました。日仏ともに平らな面を上に向けて、脇からナイフを差し込んで貝柱をカットするやり方が王道。殻が開いたら牡蠣に含まれていた水をすぐに捨て、その場で蛇口の下でサッと水洗い。そのままお皿に並べておきますと、生きている牡蠣の体内からじんわり美味しいエキスが湧き出てきます。昨日、アマゾンでナイフを注文したので、今から新たに牡蠣むきにトライ。宮城、花巻、新潟、広島や門司など、島国日本は牡蠣の宝庫です。ここ数年、門司の牡蠣に凝ってますが、牡蠣むきが私の趣味に加わるのも時間の問題。発泡スチロール箱入り生牡蠣は、今の季節なら屋外に出しておけば1週間は軽く持ちますから、心置きなく練習です。フランスで古くから開催されている牡蠣むきコンクールの出場者は男性ばかりですが、牡蠣むきが得意な女がいてもいいですよね。ちなみに牡蠣むき職人のことをフランス語でエカイエと呼びます。カフェやブラスリーの表に積まれた生牡蠣と、お客さまの注文で素早く牡蠣をむくエカイエのいる光景は冬のパリの風物詩。

ヴェルサイユ宮殿を造った太陽王こと、ルイ14世はグルメ(美食家)でグルマン(大食漢)だったのは有名なお話。侍医が待ったをかけるまで、王さまは一度に数ダースの生牡蠣を食べてしまたそうです。そうそう、生牡蠣といえばパリ北郊のシャンティー城に素晴らしい絵画があるんです。ヴェルサイユ宮殿よりずっと以前、ルネサンス期にできた名城ですが、そこにある生牡蠣の昼食シーンを描いた大作です。鬘をかぶった貴族たちが、美酒と生牡蠣に興じるさまはグルメ大国の面目躍如。冷蔵庫などなかった時代のことですから、まさに特権階級の食べ物。シャンパン同様、生牡蠣は女性を美しくするといわれておりますし、カロリーもほぼゼロ。それでも生牡蠣はどうもとおっしゃる方には、こんなおすすめレシピがありますよ。生牡蠣を電子レンジに並べて、ラップをしないで30秒。わずかに開いた生ぬるい牡蠣は、旨味成分がまして絶品。開いてがぜんむきやすくなった牡蠣を冷やせば、生のままのときと食感に大差なし。なあんだ、最初から殻むきに苦労するよりこの方が楽ねとおっしゃる方も少なからずおられます。今が旬、ぜひ生牡蠣をご堪能ください。