diary日 記 2020 / 01 / 01

世界で一番おいしいリンゴ

せっせと毎日ふたつずつ、朝と晩にリンゴを食べてます。果糖の取りすぎと注意されてますが、朝は青森、夜は信州で品種はともに「ふじ」です。ベランダ越しに親しくなった、お隣りのマンションのフランス人におすそ分けしましたら、マダムが「日本の果物、甘味を加えているんじゃないの」ですって。以前、日本土産に「世界一」を取材先のフランス人に渡して、目を丸くされたことがありました。彼らにとってリンゴは、ポケットから出して齧るもの。そこで私は、「日本人はリンゴの皮をむいて、八分の一にカットして食べるのよ」と講釈。どんなリンゴでも皮ごとカットし、カフェ・オ・レのボウルに入れて、自分の部屋のベッドに寝転がって食べるのが最高。果物で私は、リンゴが一番すきかも。それにいたしましてもリンゴは、わが国の農業技術の進化の賜物。アダムとイヴの絵にあるような素朴な木の実に改良を重ね、透明な蜜たっぷりのリンゴに育てたのですからあっぱれ、あっぱれ。洋梨の「ラ・フランス」も「ル・レクチエ」なども、パリのフォションでも手に入らないほどの逸品ぞろい。果物ワールドカップがあったら、日本産が最優秀賞の総なめまちがいなし。イチゴ、桃、ぶどう然りで、今や果物はモノづくり大国日本の象徴ですが、お値段もそれ相当。高価な果物は、ご進物用らしく、伊勢丹の金ラベルが貼られたフルーツはビックリ価格。日本人のブランド志向が、ついに農産物のジャンルを席捲か。「もっと、もっと」と懸命にベターを目指す、日本人のDNAのなせる業ですね。

産地から段ボール箱で着いた「ふじ」で、お菓子を作ってはもったいないと思いつつ、新年早々にリンゴのタルトを作りましょう。それも極薄の、タルト・フィンと呼ばれるエレガントなおやつを。生地から作るのが面倒なら、冷凍パイ生地でもOK。ただし、その場合はパイ生地をそのまま焼くと膨らむので、ひと手間かけて麺棒で厚さを半分に薄くのします。パイ生地をオーブンで空焼きしている間に、リンゴを皮ごと極薄にスライス、塩水に晒して水気を切っておいてください。もうひと手間かけて、クレーム・パティシエールを作りましょう。片手鍋に牛乳少々、お砂糖大匙1杯に卵を割り入れ、小麦粉を加えてかき混ぜて加熱。タルト生地からリンゴが滑り落ちないためのつなぎ役ですから、ダマになっても大丈夫。焼きあがった生地に薄くのばして、薄切りのリンゴを同方向にびっしり敷き詰めて再びオーブンに。形は四角でも丸くても、タルト・フィンは薄さが信条。召し上がる寸前に、少量の粉糖を茶こしを使って振りかければ最高。今年も美味しいもの、素敵なこと、笑えるエピソード満載の、このページをよろしくお願いします!!!!!