diary日 記 2018 / 11 / 15

日本ブランドの果物に自信を持って!!!!!

「なんなの、コレ。これがリンゴなら、どうやって食べるの?」とは、ノルマンディーでリンゴ農家をしている友人に、日本のフジを差し上げたときの反応です。「どうやって食べるの」についてご説明いたしますと、皮をむいて8等分に切ってリンゴを食べるのは、世界的にきわめて少数派。世界の一般論的には、リンゴは齧るものですから。児童文学に欠かせない『トム・ソーヤーの冒険』の、壁塗りの部分に登場するリンゴ、ご記憶ありませんか?外国人を驚かせたいなら、なんといっても一番は日本産の桃です。パリの親友に、日本土産に持って行ったときのことでした。ご近所の果物屋さんで買った箱入りの桃を、こっそりトランクに詰めて運びました。原則、生ものには検疫が課せられることになってますが、咎められたとしたら正直に「グルメなパリっ子の仲間への、プレゼントなんです」と言うつもりでした。東京からの手土産を見た友人は、立派な箱の中身が桃だと知ってびっくり仰天。パリのマルシェに並んだ直径5、6㎝の桃とは比較にならないほど巨大で香り高い果物が同じ桃だとは、まったく信じられない様子でした。そうそう、柿もめちゃめちゃ好評でしたっけ。私が手渡した庄内柿を見て即座に、「ありえないほど大きなKAKIね!」と感心し、渋さ覚悟でカットして口に運んだKAKIの甘さに友人は感動。私のまわりのフランス人は、日本食の魅力もさることながら、日本の果物の異常な美味しさを知ってます。30年以上も昔のエピソードですから、検疫については時効(笑)。青山通りの「紀伊国屋」さんの生鮮食品コーナーに、ルッコラやチコリ、ホワイトアスパラなどの輸入野菜がどっとふえはじめたころでした。

自他ともに認める果物王国のわが国に降って湧いた、今回の韓国産のイチゴやシャインマスカット騒動にどのような終止符が打たれるのか、とても興味があります。早い時期に韓国で品種登録をしておけば、起きなかった問題なのでしょうか? 私的著作権とか国際登録とか、現代社会はややこしいことばかり。日本の農家さんが心血を注いで品種改良を繰り返し、完成させた果物の苗を言葉巧みに入手して韓国に持ち帰り、栽培して収穫したイチゴはどうなるのでしょうか。エルメスやヴィトンのバッグの偽物一掃作戦より、生鮮食品はむずかしそう。それに、この先も日本産果物はますます、同じような被害に遭うことでしょう。もっとも、フランスの農業関係者は真似しないような気がします。ブルゴーニュ地方の名門ワインの作り手さんが、「万人向きの美味しいワインなら、誰だって作れるさ。自分の使命は、18世紀から続くウチの畑のブドウからできるウチのワインを守ることさ」と言ってましたっけ。ワインは熟成期間がありますから生鮮食品とはいえませんね。真似された作り手さんのお気持ちは分かりますが、埼玉で京野菜が作られている例もありますし、感情的にならずにロジックに、はじめから考え直す時期がきたようです。ところで韓国製のシャインマスカットを食べてみたいんですが、どこに行ったら買えるんですか?