diary日 記 2018 / 07 / 01

ル・マン 24時間耐久レース

世界三大カーレースは……「そんなの興味なーい」といわれてしまいそうですが、聞いてください。なん人ものフランス人に「あなたにとって車って、どんな存在ですか?」の質問を繰り返して得た答えの大半が、「自由のシンボル。自動車さえあれば、国境を越えてどこまでも行けるから」でした。昔からある、ブリジストン・タイヤの「どこまでもいこう」のCMソングそのものですね。免許を取らない若者がふえているとか、車を持ちたがらない若者たちとかいわれますが、それは首都圏や地方の一部の繁華街に住んでいる人たちの場合です。埼玉や千葉あたりでも、駅前からちょっと離れると車は生活必需品。19歳で免許を取って、パリのTAXI運転手になれると豪語していた私が、現在、車を持っていないなんて、信じられません。先回のこのページで書いた、東京ミッドタウン1階のLEXUS Caféが気に入ってます。話を戻して世界三大カーレースはというと、F1で知られるモナコ市街地を疾走する「フォーミュラ1」とアメリカの「インディアナポリス」そして、私としてはこれをトップに据えたい「ル・マン24時間耐久レース」があります。この6月17日、ついにトヨタが総合優勝の快挙を果たしました、万歳!!!!

ル・マンという町は、パリから南西に200㌔ぐらいロワール川の方向に行ったところにある、いつもは静かな町なんです。それが5月になるとにわかに人がふえ、夏至に近い土曜日に佳境を迎えます。梅雨がないフランスの地方の町で繰り広げられる24時間レースは、毎回、半端ない暑さなんです。関係者たちはテントのあるピットあたりに屯していて、私の日記を探せばなん年だったかわかりますが、ある年、横を向いたらアラン・ドロンとミレイユ・ダークが並んでいたことがありましたっけ。青空の下ではしゃぎまわる子供たちをほっぽらかして、芝に寝そべって観戦する一般の大人たちに太陽が容赦なく降り注ぎます。最高速度、400km/hを越えてビュンビュン・ウァーンワンの凄まじいモーターとタイヤの擦れる音があたりに響き渡ります。それにしても、今やトータル評価で揺るぎない世界一に成長した、わが国が誇るトヨタがせっかく優勝したのですから、「ル・マン24時間」の一部始終が観たかった。仕事とは関係ないんですが、パリで暮らしはじめたころからモーター・ジャーナリストの知り合いが多いんです。今回はとくに予選前からトヨタ優勢が報じられてましたが、昨年などはラスト15分でこけましたし、走りっぱなしの24時間はドラマです。おまけにハイブリッドですから、注目してました。ところが、はじまっても地上波では放送しないじゃないですか。「どこで観られるの」と事情通に聞きましたら、J-Sportsの独占だそうでがっかり。以前、1991年にマツダが優勝したときはテント席で観戦してたんですが、ドライバーが日本人ではありませんでした。今回は1位が中嶋一貴さんで2位が小林可夢偉さんでドライバーが日本人の初優勝、あっぱれです。道路交通法がありますからル・マン用の車を国内で走らせるわけにはいかないまでも、凱旋パレードないのかしら。でも、あまりはしゃいでは、被災地の方々に申し訳ないですね。