diary日 記 2018 / 02 / 15

ヴァカンス・ド・ネージュ

今、冬期オリンピックの最中ですが、おりしもフランスはヴァカンス・ド・ネージュの時期です。フランス語でネージュは雪ですから、文字通り雪休みのこと。今日はこの雪休みについて、お話しましょう。その前に、フランスのヴァカンスについて、ざっとご説明しますね。彼らがヴァカンスのために働くとまでいわれているそれは一般に、7月最初の週から8月末までで全国一律。カレンダーを眺めてみますと、10月中旬から2週間の「諸聖人の祝日」と呼ばれる休暇やXmasに続く年末年始のお休みも全国一律です。このほかにA、B、Cの三つの区域がそれぞれ日程をずらして取る休暇が2度ありまして、そのひとつがヴァカンス・ド・ネージュと呼ばれる、ここでお話しする雪休みです。ちなみにもうひとつのお休みはキリスト教社会に欠かせない復活祭のお休みで、4月から5月にかけての2週間です。「えっ、やっぱり長いんだ!」と休暇の多さに驚かれるでしょうが、以上は学校が休みなだけで、大人たちの休暇ではありません。最近、わが国でも導入が検討されている、連休をずらす案の参考にされているのが、実はフランスの子どもたちの地区別休暇制度なんです。ゾーンA、ゾーンB、ゾーンCの三つの区分けがありまして、たとえばパリはCなんですが、ボルドー、ヴェルサイユ、パリ郊外のクレテイユとパリの4地域が同じグループ。それではAはといいますと、カーン、クレルモン-フェラン、グルノーブル、リヨン、モンペリエ、ナンシー、メッツ、ナント、レンヌ、トールーズの10箇所。紙面の都合上ゾーンBは省きますが、A、B、Cの地区の休暇を1週間ずつずらすことで、観光地や交通機関の混雑を緩和させる意図があります。学校のお休みとはいえ、幼い子供たちだけでは移動できませんから、子どもを預ける施設や親せきへの送り迎えは保護者の役目。両親が離婚していようが別居していても、子どもの面倒をみる権利と義務が付いて回るのがフランスらしさともいえます。それでは次の雪休みで、子どもヴァカンスの実態をご覧ください。

なにを思い出しても、それがすでに私にとって過去の事例になってしまったのは残念ですが、内容は現在も変わっておりませんからご安心ください。2月の第1週から3月の第1週の間の2週間、多くの子どもたちは雪を満喫。幼稚園児や小学生の低学年はストックなしのスキーで、大きくなるとスノボですね。親が連れていけない場合は、市や区が募集する雪休みイベントに参加できますが、私の知る限り休暇が取れる保護者が、数人の子どもを一緒に連れて行くケースが多かったです。シャモニーやグルノーブルなど、スキー場はどこも2000メートル以上の本格派ですが、週単位で借りられるアパルトマンと、スキー学校が充実。朝、昼、晩の三食は親が作って子どもたちに食べさせますが、午前と午後のスキー教室で子どもたちはしごかれます。場所はちがっても全国のスキー教室共通の終了メダルがあり、子どもたちは銅、銀、金の順にステップアップ。……そうか、子どものころのメダルに満足してオリンピックを狙わないのって、なんだかフランス人らしくないですか?