diary日 記 2018 / 01 / 15

フランス料理と和食

そもそもフランス料理と日本料理は、対極にあると思います。ふたつを天秤にかけても、一分の傾きもございません。いいんや、フランス料理とくらべるなら中華でしょうとお思いの方もいらっしゃるでしょうが、両者は共通点ばかりで、くらべようがありません。カロリーのボタンを押しても、後片付け、道具の数も似てるでしょう? 中華は大量のオイルを使い、フレンチもバターや生クリームは欠かせません。作ってみればわかりますが、ともに使ったお鍋やフライパンを洗うのはひと苦労。それにくらべて和食は、焦げつかせてしまっても、水で洗えば汚れは取れます。なになに、使うたび魚焼き器を洗うのが面倒ですと?ローストビーフを焼いたオーブンの中をきれいにすることを考えれば、魚焼き器を洗うことなど朝飯前。そもそも、汚れの度合いがちがいます。壁に飛び散る油汚れ、厨房の温度、コックさんの着るいる制服にしてもおおちがい。染みひとつない白衣にまな板、晒の布巾、雪平鍋の和食と、油汚れがこびりついたコックコートと麻混のトルションと呼ばれる地厚な布巾。出来上がりの美しさも対象的で、牛や羊の筋や骨で出汁をとるフランス料理は無彩色。お料理に彩が加味されたのは、近代料理の祖と崇められる、エスコフィエ以降のこと。それにくらべて和食の世界は、平安京の時代から典雅です。見た目の美しさだけでなく、お料理をいただくときの礼儀作法などを鑑みますと、日本の食に勝れるものなしの堂々一位。メディチ家から嫁いだカトリーヌがフランスにフォークをもたらしたといわれておりますが、16世紀の半ばと遅いこと。平安時代、わが国ではとっくにお箸を使って食事をしてます。まあ金属のフォークを作るのは大変ですが、お箸ならそこらに生えている木の枝ポッキリで作れるのですから一事が万事。「下町ロケット」や「陸王」もその系譜ですが、知恵者日本が生んだ和食の優位は揺るぎないですね。

ところがパーフェクトにみえる和食ですが、しいてしえばガッツに欠ける。草食系と肉食系にもたとえられるでしょうか。鱧も鰤も鮪の大トロも、卵焼きや天ぷらもございますが、お肉は鶏や鴨がせいぜい。「馬なんか、家族と一緒だもの食べるはずないじゃない」とおっしゃっていらした、食文化研究家女史の声が聞こえます。ライザップしかりで、からだ作りがはやっている昨今、動物性たんぱく質を摂らないと筋肉ができないそうで、「肉食のススメ」が静かに復活。過去に日清・日露で奇跡的に勝利したわが国の上層部は、国民に肉食を奨励 しました。「乃木坂48」しかりで、女の子たちの脚も長くなり、「カルメン故郷に帰る」をかるく凌ぎます。食生活の向上が日本人のスタイルをよくしたのは紛れもない事実です。以上、フランス料理と和食を書いていたはずが、趣旨がボケて結論が出ました。こってりソースのフレンチはやめて、和食にたまにステーキがベストかも。語るに落ちたとは、このことですね。美味しくて健康にいいもの食べて、今年も元気でいきましょう、エイ・エイ・オー!