diary日 記 2017 / 12 / 15

ありえないことが起きました

「な、な、な、なにがあったの?」などというような、今回のことは突発的なできごとではないのです。アメリカの歴代大統領のほとんどが、伝統的にイスラエルに加担。各候補は選挙公約に、イスラエルの首都をエルサレムに決めるという公約を掲げているそうです。ただ、約束するだけで、今までは不可能に近い約束の実行を先延ばしにしてきた。それがここにきて、トランプ大統領が一方的に決定をぶち上げてしまったから問題です。だからといって歴代大統領にユダヤ教がいるかといえば、そうではありません。プロテスタントとカトリックで、大雑把にキリスト教でくくられている人たちということになります。いえいえ今回はトランプ大統領がブレインとしてもっとも信頼している、イヴァンカの夫君がユダヤ教でした。莫大なユダヤ資本が背景にあるアメリカの政財界は、なにがなんでもイスラエルが正しいとしておりますが、かたやアラブ人にしてみればシオニズムは侵略主義。1948年にイスラエルが建国されたことで、それまでかの地に先祖代々暮らしていたアラブ人はパレスチナ難民になってしまった。シオニズムの由来になっているシオンとは、もともとはエルサレムの丘に名づけられた地名です。中東戦争が第四次まで繰り広げられていることからも、この一帯に込められた民族の遺恨の深さがわかります。わかり切ったことですが以上、ざっと整理してみました。次に、テルアビブから10キロのところで先代から住んでいる知人のダヴィッドが、こう言ってます。「70年前どころか、ずっと太古から神がわれわれに与えた“約束の土地”が、トランプ大統領のひと声で実現されるはずありません。世界中のみなさん、慌てなくても大丈夫です。神は困難を、あえてわれわれに課しているのです。この地で隣人のアラブ人たちとも仲良く暮らしてますから、ご安心ください。火炎瓶が投げ込まれ、テロで人々が逃げ惑う悲惨なシーンだけを選んで、テレビが報道するんです。イスラエルはこれからも第一級の観光地ですから、ぜひ、おいでください」と。達観しているというか、慣れているというか、歴史に裏付けられたダヴィドの声が、頼もしく感じられました。

ひるがえって、相撲協会と貴乃花のにらみ合いの行方に注目。今回の事件の第一報を視聴したときから、貴乃花親方に親近感を持ってます。現役時代の貴乃花の土俵入り、シコ踏み、全身からみなぎる気品は、まさにジャン・コクトーが絶賛した日本の美学でした。映画の「シコ踏んじゃった」の冒頭で、ジャン・コクトーの名文が出てきます。貴乃花親方が黙して語らないのは、ある意味で計算でしょうね。話すのが下手な自分が喋ってロクなことはないから、黙っていようというような。おキレイですが、中年おばさまになられた河野景子さんの甲斐甲斐しいお姿も好得点。貴乃花親方おひとりと相撲協会のお歴々という構図も、判官贔屓の私たちの興味をくすぐりますしね。モンゴル相撲がダメだと言っているのでは、もちろんありません。彼らの流暢な日本語を聴いて、いつも感心。国技のお相撲と日本語を完璧に習得してくれている彼らに、つくづく頭が下がります。白鷗も偉いですが、やっぱり貴乃花の笑顔が見たいです。2017年、このページをご覧くださって、ありがとうございました。