diary日 記 2016 / 08 / 01

「 メトロで読書のフランス人 」

そういえば、先回のパリ旅行で「アレアレ????」に出会いました。戻ってすぐに書くつもりでしたが、今日まで温めてしまいました。もったいぶらないで「アレアレ???」の中身を申しましょう。はてなマークの正体は、車中で読書しているフランセーズたちの多さでした。地下鉄にもJRでも、乗り物に乗ってきょろきょろしても、車中で本を読んでいる人、わが国ではほとんどみかけなくなりましたよね。物書き稼業の私にしてからが、とんと本を車中で読まなくなりました。今年になってスマホを始めてからは、電車に乗るが早いかスマホの着信履歴をチェック。検索とメールは自宅PCの方がずっと楽なので、車中ではしません。数年前までの私は車中でせっせと読書が当たり前でしたのにと、自責の念に駆られます。かといって読書量が減ったわけではなく、だんぜんふえてます。GSをやめてからの1年半で何が変わったかといって、本を読む時間が圧倒的に多くなりました。ジムに通うより読書の怠惰な日々を反省しつつも、読み終えた本が着実に堆積。またまた逸れてしまった話題を、メトロで読書のフランス女性に戻しますね。

メトロの混雑時なら、ひとつの車両でかならず数人、本を読んでいる女性たちがおります。ペーパーバックといって、欧米の一般書の定番は紙質がザラ紙でページ数が多いわりに軽いソフトカバーです。ご参考までに私の本箱にあるフランス語のフォリオfolio版『モンテクリスト伯』の場合、前編700ページで後編が750ページの見た目ボリュームで軽量。
フランス滞在中はどこに行っても、立ったままで、または座席で足を組んで本を読みふける彼女たちに、ついつい目が行ってしまった私。ちなみに男性は新聞、女性が小説といったところでしょうか。それにいたしましてもフランス人の不思議とでもいいますか、通勤時間の車中でスマホはほとんど見当りません。公園ですとか遅い午後、高校生たちの通学時ですと、ひとりでスマホがちらほら。「なぜかしら、なぜだろう?」の回答はご本人にただすのがベスト。先回のパリ滞在中にお会いした彼女たち彼らに、片っ端から質問。パリ時代の仲良しの、旅行代理店勤務のアナイスから、こんな答えが返ってきました。「家に帰ったら、親友とスマホでおしゃべりしますけど車中では無理。用件を伝えるためにSMSは最小限しますけど、それだけ。本を読む歓びに代わるものはありません。スマホの目的は、コミュニケーションの手段で、趣味じゃないもの」
なるほど、想像力を掻き立ててくれる良書を求めて、涼しい書店さんに足を運びましょう。