今さら「日本人はよかった」と言われても(笑)

2015/7/15 

オペラ通りの有名スーパー、モノプリMONOPRIXのレジに並んでいたときのことでした。最近、気に入っているロゴつき1ユーロのエコパックをお土産用にたくさん買って、レジの順番を待っておりました。そして私の番になるや店員さんが突然、私の顔をまじまじと眺めて、こう言ったのでした。「日本人は、よかった」と。今回のフランス滞在中、他でも同じことを言われました。日本人はポリー、poliと書きますが、つまり礼儀正しいと。今さら言われてもと思いながらも、人の判断の相対性をつぶさにして、即座に「メルスィー!」。30年以上も昔、ルイ・ヴィトンに群がった日本人をフランス人が嘲笑ったのがウソのように、今度は私たちが彼らに誉められる立場になりました。パリも銀座通りなみに、すごいことになってます。あれだけの人口が動いたら、それは、そうでしょう。パリやロンドンが、フィレンツェやヴェニスが、中国人で埋まります。でも、考えてみてもください。今まで、なんにも持てなかったのですもの、いくらでも持ってください。なんにも買うものがなかったのですもの、いくらでも買ってください。飽きた私たちに代わって、好きなだけブランド品三昧を謳歌していただこうではありませんか。シックな店内でパンを食べている彼らのおかげで、私たちの評価がアップしたのですもの、これまた「メルスィー!」ですね。

今回のフランス滞在で、シャンパーニュ地方のランスとブルゴーニュ地方のボーヌを訪れました。連日の炎天下はトホホでしたが、これでもかとばかりに観光大国フランスを見せつけられた気がします。それに押しなべて、フランス人のだれもが愛想よくなったと思うのは錯覚でしょうか? いえいえ私が迂闊にも、水を得た魚のようにはしゃいでいたのかもしれません。そんな私の帰国を、『フランス人は人生を三分割して味わい尽くす』に大幅に変わったタイトルが待っておりました。三分割の中身を簡単に申しますと、「学びの第一世代」、「育ての第二世代」と「待ってましたの第三世代」。とことんお金が無くて当たり前の学生時代から働く子育てをへて、定年後に来たるべきバラ色の人生がある。初めてのお給料でパーマをかけるマドモアゼルの話や「鶏肉みたいにクセがないと言われて怒る鴨」など、お笑いネタも盛りだくさん。本業復帰の第一弾、書く醍醐味に浸れた一冊になりました。どうぞ、ご期待ください。