横になったクロック・マダム

2014/9/1 

デ・プレの名門カフェ、『レ・ドゥ・マゴ』で見つけました。いえいえ、それ以来、わがGSのメニューに同じものがございます。なにがどうちがうかというと、縦に二枚重ねた食パンが横並びになりました。1910年、オペラ座正面を横に走るキャプシーヌ通りのカフェで誕生した由緒あるクロック・ムッシュの、世紀のデフォルメに私の目が点に。ちなみにクロック・ムッシュの上に目玉焼きをのせると、クロック・マダムになります。ムッシュ+卵でマダムになるとは、フランスらしいですね。蛇足ですがお肉料理を取り分けるにしても、崩れてなくて、もっともいい形をしたお肉がママのお皿にいくのがフランス式食卓のエチケット。男女の子どもがいる四人家族なら、いいお肉はママ、パパ、女の子で最後が男の子の順に配られます。それではこれから、斬新クロック・マダムの作り方をお教えしましょう。

その前に、私たち日本人が日々いただいている食パンが、世界の最高水準に達していることをご存知でしょうか? フランスにもパン・ドウ・ミと呼ばれる食パンがありますが、質実ともにわが国のそれとは似て非なるもの。イギリスやアメリカの方がフランスの食パンよりましとはいえ、だんぜん日本の食パンに軍配が上がります。明日、召し上がるときにどうぞ、ふかふか、もっちりのわが国の食パンに敬意をお払いください。ヤマザキでもパスコでも、わが国の食パンはパン業界の研鑽の賜物。話がそれましたが、クロック・マダムのお材料は食パン二枚とハム一枚、卵一個とバターとミックスチーズ。昔はベシャメル・ソースを使いましたが、今回はバターとチーズで軽く仕上げましょう。パン二枚にバターを塗って、横に並べてハムとたっぷりのチーズをのせてオーブン・トースターで色がつくまで焼いて、最後に目玉焼きをポン。GSではハムの上にレアな目玉焼きをのせてから、チーズてんこ盛りでこんがりに。私が訪れたときはクロック・マダムだけで13.5€、1800円。でしたが、衝撃のクロック・マダムの授業料としてはOK。だんぜん美味しい日本の食パンで、横並びクロック・マダムをぜひ再現してみてください。