「たまか」って、マイナーな言葉ですか?

2012/12/1 

GSの定休日のある月曜日、行きつけの「マーサ美容室」での爆笑ネタをお聞きください。自宅の一軒おいたお隣さんなので、あちらの先生方とも大の仲良し。先代の大先生は戦後、いち早くマネキンクラブを立ち上げられた女傑。いつもおしゃれで聡明で、めちゃくちゃ存在感のある大先生に、「あなたを連れて出かけたいわ」といっていただいたときは、それはそれは、天にも昇る思いがしたものです。独創的なアイデアをお持ちだった大先生には、なんどか拙著にご登場いただきました。代は大先生からお嬢さんにかわりましたが、美容室の面白さは以前のままです。芸者さんのお姿は稀ですが、今も神楽坂の魅力を牽引する、料亭の女将さんご用達の美容室。前置きはこのぐらいにして、爆笑ネタについてお話しましょう。

なにかの拍子で私が申しましたたまかの一言が、ベテランぞろいの先生方だけでなく、その場に居合わせていらした、料亭さんの女将にも通じなかったものですから大笑い。
「やーだ、そんな言葉、聞いたことないわよ」
「私も知らない」どころか、はたまた「それ、どこの言葉?」と、矢継ぎ早に発せられるみなさんの反応に、たじろいだのはこの私。幼いころから耳に親しんだ言葉だったものですから、みなさんも当然お使いになっているものと思っておりました。でもたしかに、よくよく考えると、たまかという言葉を母以外から聞いたことがなかったかもしれません。果たして母の造語だったのかしら、それとも死語の部類なのかしらと首を傾げたものでした。

美容室から戻ってすぐに、愛用の『岩波 国語辞典』を引いてみましたが、残念ながらたまかは載っておりませんでした。ひるまずネットで調べて見つかったときは、正直ほっといたしました。ご参考までに、以下、お読みください。
たまか[形動][文][ナリ] 倹約でつましいさま。例文として「新たに湯を沸かす手数と、薪の倹約とが出来るので、田舎のたまかな家ではよくやることだ」とございます。出典が<左千夫・春の潮>ですから、やはり今となってはたまかはマイナーな言葉にちがいありません。でもまあ、熟女たちが大口を開けて大笑いできたのですから、たまかの効用です万々歳!!!