あんがいいい時代かも

2012/8/15 

オリンピックが終わり、さる編集さんは「まるで祭りのあとの寂しさみたいです」とぽつり。猛暑のなかの深夜観戦は、体力的にしんどかったですね。メダル38個の快挙で疲れも癒されたと申しては、勝つことではなく参加することに意義があるとするオリンピックの精神に反するでしょうか。それにしても今回のロンドンとの時差が8時間だったのにくらべて次回のブラジルは、12時間ですから真逆になります。現地の午後3時の試合が日本時間の午前3時ですから、ロンドンよりさらに過酷。まあ、今から4年後の疲労度を懸念するのは、まったくのナンセンス。ほかに心配事がないという、幸せ一杯の証拠にちがいありません。

メダルの数で、ちょっとだけ私たち日本人の士気が上がったのではありませんか? 低迷していた私たちのモチベーションが、場合次第で上向きに転じることが証明されたことが嬉しいので、選手たちにまた感謝。まるで風が吹けば桶屋…のたとえのようですが、元気になるために手段は選びません。だれでもハイになりたいし、喜びたいですもの。うきうき気分になれるなら、少々の犠牲をはらってもいいとあなた、思っていらっしゃるのではありませんか? 寄席に落語を聞きにいくのも、お料理を食べにいくのも、「ああ、面白い!」とか「わあーっ、美味しい!」の一言をいいたいからですもの。4年先に待っている時差ボケを今から悩んで落ち込まないで、ポジティブにいきましょう。そんな、こんな四方山話を中国人のT先生と、もちろん日本語でしゃべっていて突然、こう聞かれました。「GSをしている趣旨はなんですか?」と。

「えっ、趣旨? 目的のこと? だとしたら、お金じゃないことはたしかだわ」といった私にT先生、すかさずこうおっしゃいました。「趣旨だよ、目的じゃない」と。魯迅つながりのT先生ですから、ごまかしはききません。とっさに私の口を突いて答えた「コミュニケーション」という言葉にT先生の反応はといえば、「そうね、フランス教でしょう」。ムムムムム、なんでもOK。東京にいらしたらぜひ、床にワックスかけたての現場をご探訪ください。