オランド新大統領について

2012/5/15 

「オランド大統領が誕生して、どう思う?」
こういうときは、日仏ホットラインが役に立ちます。メールとちがい電話なら、フランス人の親友たちの言葉のニュアンスもくみとれます。わが国のマスコミは、先回の大統領選の有力候補者でもあったセゴレン・ロワイヤル女史と、今のバレリーとオランド氏の事実婚の話題ばかりに注目。新大統領になってからの政治的な変化や、欧州経済についての記事があまり見当たりません。まあ、これがフランス式の愛なのかと問われれば、「たしかに、そうだわね」とお答えするしかないです。ただお断りしておきますが、ロワイヤル女史もオランド氏も、社会党という組織の中ではズバ抜けた存在で、いうなれば彼らは公人。普通の人ではありませんから、彼らの関係が彼の地で一般的かといったら?????。フランスにミッテラン以来17年ぶりに、思想的にゴーシュ(左)の社会党政権が誕生したのですから、なんらかの動きがあってもいい気がします。それでも今のところ、オランドといったら事実婚ですかしらね。

意外に思われるかもしれませんが、わが国も左翼の方が男女関係が派手でした。といっても懐かしの全共闘世代のことで、残念ながら私は当事者ではなく残党を眺めたていどでした。民青とか革マルといったセクトのリーダー格は、いろいろあったようです。たとえば、アジテートと呼ばれていたでしょうか、喋りが上手な男子学生は女の子たちにもててました。裏方の理論派の学生も、女子に事欠かなかったと思います。もっとも保守と革新がごっちゃになっているわが国では、なにをいってもはじまりません。そもそも左翼という言葉も、今では死語ですね。で肝心のオランド新大統領の評判はといえば、親友たちは口をそろえてこういいました。
「サルコジには辞めてもらいたかったけれど、だれが大統領になっても変わらない」
国民の政治不信は、わが国だけではないようです。