ガソリンのいらない飛行機に乗って 2011/4/1 

<コンビニの24H営業をやめよう>とか<自動販売機の撤去>など、電力消費を削るためのアイデアが出そろいました。真夜中の町にコンビニの蛍光灯が不気味な色を放っている光景への違和感が、こういう形であらわれたかと思うと、複雑な心境です。塾の行きかえりに真剣に、自販機につまった清涼飲料水のうちの、どれにしようか迷っている子供のうしろ姿が目に浮かびます。テレビ画面に映し出される被災地の人々が口ぐちに、生きていられたことに感謝の気持ちをおっしゃる。宗教的に無色なわが国ですから、神様に感謝する一言も、運命の悪戯を嘆くでもありません。おたがいに助け合う気持ちが、素直に尊いと思えるのが切ないです。

こんなに一度にたくさんのことを考えたこと、今までになかったです。パリ時代から夫に、「お前は危機に強い」といわれておりますが、今回はギブ・アップ。より良い生き方を模索して、ああだ、こうだ書いていた手が震災で止まりました。PCを立ち上げ、食い入るように検索ページを眺めてばかりいました。最近になってどうにか、Wordのページを開くようになりました。さあ椅子を立ってキッチンにいって、美味しいものを作りましょう。

ミネストローネを作るなら、お鍋の中の野菜たちが沸騰したら、火を止めて余熱で煮ましょう。沸騰したお湯にパスタを入れて、再沸騰したら火を止めて余熱でアルデンテに。ガスも貴重なエネルギーですから、大切に使いましょう。ガソリンがもったいないので、飛行機に乗らずに想像の世界で、イタリアやフランスへ旅立ちましょう。私たちにできることが、次々と頭をよぎります。GSの表に植わっている、オリーヴの木の手入れをしました。店からの帰路、ご近所の<花豊>さんにあった見事なラヴェンダーの苗を買って、玄関先におきました。はからずも私のまわりに、小さなプロヴァンスができあがりました。それではみなさん、お元気で。