外国人ツーリストの疑問 2010/06/01 
ガイジンが見た東京といってはオーバーですが、先回のつづきで彼らがわが国で抱いた疑問についてお話しましょう。ロンドンの大英博物館、パリならルーヴルやオルセー美術館など、私たちのヨーロッパ旅行で外せない観光名所に匹敵するのは・・・・。それを思うと彼らが、神社仏閣や下町風情、江戸情緒に日本らしさをもとめたとして、なんの違和感もありません。そして肝心の質問の中身が、これです。
「東京の物価が高いといわれるのは、なぜですか?」

さすがに昨今のドル安、ユーロ安は、わが国を訪れている方々にはお気の毒。加えて訪日前の彼らに刷り込まれた、「東京が高い」というイメージが困りものです。ところが個人旅行の場合は、歩いてみた東京との落差に彼らはびっくり。町にあふれる290円の牛丼や300円のラーメンにだれもが驚喜し、おもちゃのようなコンビニ弁当に目が点になる。そしてGSにいらしたガイジンから、よくこう聞かれます。

「1000エンで、サラダと刺身か天ぷらとミソスープに、デザートまでついてきました。私たちは夜ほとんど食べないので、フルコースのランチに感動してます。東京の神社や寺は、入場料がいらないのもうれしい。マック(マクドのこと)も、パリの半額以下でした。それにしてもなぜ、東京が世界一ものが高い都市だといわれるのか、その理由が私は知りたいです」

答えは簡単で、東京に駐在している各国の特派員が品目ごとに価格をくらべて本国に報告しているからです。たとえば、都内の高級スーパーで売られているステーキの値段と、本国のそれを単純比較。旅行者が買わない、ふつうの日本人も食べないステーキの値段を知らせるから問題です。私たちが食べているのは、百グラム380円の薄切り牛肉ですのにね。最後にもう一つ、ベルギー人女性が、笑いながらこういいました。「日本では犬が、子供用の洋服を着てる」と。