フランスの給食費 2010/04/01 

3月26日付の朝日新聞の11面、国際の紙面にこんな記事が載っていました。見出しの「給食費未納別メニュー」につられて、ローマ支局発の欄を熟読。内容はいたって簡単なもので、北イタリアの学校で給食の時間に起きたことと、それに関連したものでした。給食費を払っていない家の子供8人に対して学校側が二日間、サンドイッチとペットボトルの水しか与えなかったそうです。同情したクラスメートが彼らに、自分たちのおかずを分けてあげた。そうした学校側の措置を、移民、貧困問題に取り組んでいるカトリック系NGOが批判したため、市側は24日から通常メニューに戻したそうです。この記事を読んで、フランスの給食費について思い出しました。

といっても考えていたのは、わが国でも話題になっている給食費の不払いについではなく、単純に給食代の方です。それも古い記憶ではなく、手元にある資料は昨年のパリ旅行で入手した2009〜2010年度版。新聞には一食3.95ユーロ(約480円)とありましたが、フランスの給食費は、保護者の収入に応じて細かく区分されています。イタリアは州によってちがうかもしれませんが、たぶんフランスと同じだと思います。

一例をあげると保護者の収入が234ユーロ未満(約3万円)からはじまって、最高の2100ユーロ以上(約27万円)までの8段階制。幼稚園と小学校の初等教育は同じ値段ですが、中学と高等学校が若干ずつちがう。親の収入が2100ユーロ以上なら、初等教育で4.30ユーロ、中学で4.35ユーロ、高等学校で4.40ユーロ。ある日のメニューをご紹介しますと、前菜はニンジンのサラダ。ジャガイモつきハンバーグがメインで、デザートは煮リンゴ。三歳児と中高の食べざかりでは量がちがうでしょうに、0.05ユーロ(約6円)ずつしか変わりません。