あなたはイヌ科、それともネコ科 2009/09/15 

この一ヶ月、せっせと書店さんめぐりをしました。担当編集者のマドモアゼル西川と横浜にご一緒しましたが、ほかはひとりです。新刊のことなら、この私に聞いていくださいといいたい心境です。ところでみなさん、いつになくネコ本がたくさん出ているとお思いになりませんか?

単行本や文庫サイズなど、書店さんの平台にネコの写真集が大集合。かわいいネコからとんでもないぶすネコまで、飼い主の好みもまちまち。むしろネコ派に、むるいのぶすネコずきが目立つことをはじめて知りました。それにしても、売れ筋ねらいの版元の意図がこうまで一致していると、買う側の私たちはちょっと食傷気味。ところで今なぜ、ネコちゃんなのでしょうか?書店さんめぐりの帰りの電車に揺られながら、こんな思いにとらわれました。今の世の中、あんがい犬科が多いのではないかしら?私の分類癖が、こうしている間も頂点に達します。

近親憎悪という言葉があるように私たちは、同類をきらうもの。イヌを飼っている友人がネコ科で、ネコを溺愛している友人の本性はイヌ科。ちょっと強引なようですが、ご家族、友人など身辺にいる人たちを、イヌ科かネコ科かどちらかに分類して遊んでみましょう。かくいう私はといえば、まちがいなく前者のイヌ科。課せられたノルマは忠実にこなし、なにごとにつけても飽きっぽくもありません。むら気でも、お天気屋でもなく、幼い時分から一貫してけなげ組。目の前を傍若無人に横切るどらネコを、目を細めて眺めている私がおります。で話をもどしてネコ本が目立つのは、世の中にイヌ科人間がふえた証拠にちがいありません。忠犬ハチ公のように飼い主に従うことに疑問を感じはじめた私たちが、存在感のあるネコに憧れる。ネコの反骨精神を見習う人間も、ときにはアリかもしれませんね。