真夜中のゴルフボール 2009/05/15 

サーズ、鳥と豚のインフルエンザetc. 私たち人類に天罰があたったという人がいますが、だとしたらあまりに酷です。旅行代理店を営む親友は、「グーの音も出ない」と嘆くことしきり。ところが、そうした世の中の未曽有の不景気をよそに私は今、ひとり真夜中のゴルフボールに夢中です。といっても自室で深夜、パターの練習をしているわけではありません。そもそも私は、ゴルフをしません。

テニスもジョギングも、ヨガもしません。パリにいたころ、ジムナスクラブと呼ばれるフィットネスに登録しては、いつも三日坊主。思い返すと学生時代からそうで、道具を買えばつづくにちがいないとラケットやスキー板を買っては、いちど使ってそのまま物置へ。からだを動かすことが私は、ことごとく嫌いなのです。そんな私が真夜中のゴルフボールにかぎり、一ヶ月もつづいているのですから感心です。

真夜中のゴルフボールとは、なにを隠そう自己流マッサージのことです。だまされたと思ってあなたに、ぜひお試しいただきたいのでお話します。かといってパジャマで深夜、からだをくねらせるおばさんの姿など、想像しないでくださいね。さあカーペットに仰向けになり、背中を固定して思いっきり四肢を伸ばしてください。そうダ・ヴィンチの、「ウィトルウィルス的人間図」といったらいいでしょうか。肝心のゴルフボールですが、カーペットとからだの間に、滑り込ませてください。ころころ転がすうちにゴルフボールが、あなたのツボに見事にはまることでしょう。これで指圧やマッサージに費やすお金で、美味しいものが食べられますね。