一週間のパリ暮らし 2008/06/15 

パリ旅行の日程をきめ、一週間ですが滞在型のアパルトマンを予約しました。まだまだ先ですが、店をやっているので以前のように計画性のないことはできません。GSをはじめてちょうど一年たった感慨と、地震への思いがないまぜになり、これを書いている今、なんとも複雑な気持ちでおります。それでもつぎの瞬間、パリの町並みを思い浮かべて不安スパイラルから脱出。地震の国に生まれた私って、やっぱり短絡的なのでしょうか。

ホテルではなくアパルトマンにしたことは私にとって、画期的なことでした。生活の拠点を東京に移してからの私は、パリを訪れるつど宿泊先をプチ・ホテルにしておりました。デ・プレやマドレーヌ寺院界隈の、おしゃれなプチ・ホテル。それも定宿をもたず、毎回ちがったホテルをインター・ネットでさがして予約。統一された色調の、格子や花柄のセンスのいいホテルにすることで、パリ旅行に生活感を持ち込まないように心がけていたからです。

ところが心境の変化のきっかけは、パリに一緒にいくGSスタッフのHちゃんのひとことでした。「ホテルでは、市場で買ったものをマダムに作ってもらって食べること、できませんよね」といわれたとたん私は大げさなようですが、長い呪縛から解き放たれたのでした。生活感がただよう所帯じみた旅行なんて真っ平だと思っていた深層に、追憶のパリへの恐怖が隠されていたことに、今ようやく気付いたというわけです。パリやフランスの地方をきわめた自負と裏腹に、ノスタルジーはご免だとだだを捏ねていたのです。

「フランス人のいいところだけもらって、私たちの生活をより快適に」の提唱が、脚色できない過去に裏付けられた私の本音です。と、やっぱり今日はマジメだわと、自嘲気味の私でした。次の更新時には、とびっきり明るい話題をご用意しまね。