素人にしかできないこともある 2007/06/15 
プロ仕様の厨房器具が入りました。私の部屋にあったアンティークの机を、入り口正面に置きました。ケーキ型やボールやミキサーもそろい、道具も材料も完璧。レジも並び、日に日に開店準備が整います。フルに入るスタッフの恵子ちゃんがPCに向かい、お菓子に貼るステッカー作りに励みます。

喫茶スペースの2階の窓に、5月に行ったパリで求めたカーテンを掛けました。開店祝いにと、パリの親友のレイ子さんが縫ってくださったクッションが、白い壁に彩りを添えてくれます。インテリアが思い通りに仕上がったのも、監督の松村さんと職人さんたちのお力。

パリの街角によくある、サロン・ド・テの雰囲気が見事に再現されました。ところがこの機におよんで、肝心の私は内心ドッキドキ。心配の二文字を、前世に置き忘れてきたのではないかと自他共に思っておりますのに、意外なほど殊勝な私がここにいます。柄にもなく緊張しながらも、楽観的な悲観主義者というO型特有キャラの私は、こんな結論を出しました。ここはひとつ、素人にしかできないことをしましょうと。

まず考えたのが、クッキーを生地のまま売ってしまうことでした。冷蔵庫で固くした生地をスライスして焼くクッキーは、当店のメイン商品のひとつです。ところが、クッキーを焼かずに生地のまま、冷凍庫から出したままを売ってはどうか。捏ねるのが面倒なだけで、クッキーを焼くのは簡単。それこそGSプロジェクトの真髄、“ あなたも作れるお菓子 ”そのものではありませんか。

もしご自宅のオーブンでクッキーが焼けたら、あなたの家がクッキーが焼ける香ばしい空気に包まれたなら、なんと素敵でしょ。非常識だけれども楽しい、試みに挑戦できるのも、素人の特権です。ちょっと図々しい素人集団のGSを、どうぞ温かい目で見守ってください。