ドラマで賑わう神楽坂 2007/02/15 
エッ、今日なにかあったかしら?どうしてこんなに、たくさんの人が歩いているの?メーンストリートだけでなく、ふだんは住んでいる人しか通らないような路地裏まで神楽坂の町が、デジカメを持った人たちであふれています。商店街が流しているBGMは、森山良子さんが歌うテーマソング。町が舞台になったドラマのおかげの、人の出というわけです。木曜日の夜10時、フジテレビの「拝啓、父上様」がそれ。私のうちの玄関がテレビに映っていたと、友人から電話がかかってきました。

ドラマの撮影中がまた、大騒ぎでした。料亭さん専用の駐車場に連日、巨大なロケバスがとまり、大勢のスタッフに混ざって主演、助演のキャストの姿がありました。脚本家の倉本聡さんが、昔から神楽坂のご贔屓すじ。お台場に移転する以前、フジテレビの社屋が近くの河田町にあったこともあり、町をあげて撮影に全面協力。予想をはるかに上回る神楽坂人気に、だれもが驚きを隠しません。

どうせ一過性でしょうと、今の神楽坂ブームを傍観している私に、親友がこういいました。「そうじゃないでしょう。ほかに神楽坂みたいな町、東京中さがしてもないじゃない」。そういわれてみれば、たしかにと納得。麻布十番ともちがいますし、浅草ほど大きくない。六本木や汐留にない、幾星霜をへた地面とすり減った石畳がこの町には残っています。そして神楽坂のなによりの強味は、この町になん世代も住んでいる人たち。町に寄せる彼らの熱い思いにちがいありません。かつてない人波に押されて歩きながら、こう思いました。ケーキ屋さんを開くなら、やっぱり地元神楽坂がいいなと。