バゲット・オ・ショコラを試して 2006/09/15 
「本にすることを意識して、HPを作ればいいじゃないですか」と、編集者によくいわれます。ところが計画性のない私には、それができません。月二回の更新文を、その日の思いつきだけで書いてしまうからです。で本日は、棒パンのバゲット。表面はパリッとしていて中モッチリの美味しいバゲットを、みなさまも思い浮かべてくださいな。

フランスのパンは、大きく二種類に分類できます。小麦粉と水と酵母だけで焼いたバゲットと、バターや卵、お砂糖を使ったクロワッサンやブリオッシュで知られる菓子パンの部類です。大きなパリジャンも太くて短いバタールも、痩せっぽちのフィセルも、バゲットの仲間です。

使われている小麦粉の量が変わるだけで、この四種類はお味が同じで公定価格。お店の格によりお値段にちがいはありますが、僅差です。どんなに貧し人でも食べられるという点で、バゲットは自由・平等・博愛の精神をまっとうする食べ物というわけです。最近でこそあまりみかけなくなりましたが、バゲットにかぎり四分の一から買うことができます。

すでに拙著でたびたび述べているように、フランス人はしまり屋ぞろい。彼らの経済観念に加えて、バゲットに寄せる熱い思いを物語るのが、バゲット・オ・ショコラ。幼稚園や小学校の下校時間、幼い子供を迎えに行くママたちが用意するおやつがそれです。食べ残したバゲットに、市販の板チョコを挟んだだけのバゲット・オ・ショコラ。「独りっ子ならともかく、子供の数だけ高いパン・オ・ショコラなんて、いちいち買っていられないわ」安くて美味しいジゲット・オ・ショコラこそ、フランス人の節約精神の賜物。あまったバゲットがあったら、あなたもぜひ試してくださいね。